MT車はなぜ減った? 売れなくても設定し続けるメーカーの意図とは

「自分でクルマを操る感覚を楽しめる」のはMT車ならではの醍醐味といえますが、現行型のクルマではほとんど設定されることがなくなってしまいました。なぜMT車のラインナップが減ったのか、そして未だにMTを採用し続けるメーカーの意図とはなんなのでしょうか。

日本ではMT車が販売全体の2%しか売れていないという現実

 現在日本で販売される新車の98%はクラッチ操作が要らない2ペダルのAT車になっており、自分でシフト操作とクラッチ操作を行うMT車は2%しか売れない世の中となっています。

クルマを操っている感覚が存分に味わえるのはMT車ならでは

 なぜ日本ではMT車が絶滅危惧種となってしまったのでしょうか。大きく分けて以下のようなことが理由として挙げられます。

 日本は都市部や高速道路の渋滞がひどいので、MT車を操る楽しさ以上にAT車のメリットが大きいです。また、1991年11月にAT限定免許が導入され、それ以降「どうせMT車に乗ることはないだろう」という人がAT限定の運転免許を取得することが増え、実質AT車しか乗れない人も増えています。

 2000年代の初めまでは、MT車の新車ラインナップも多く「MT車に乗るとき困るから」と、とりあえずMTで運転免許を取得することが多かったと思いますが、ここ10年くらいは「周りのみんながAT限定免許だから」という理由でAT限定免許を取得する傾向に変わってきています。さらに、運送業界で使われる2トン積み以上のトラックでもAT車が普及してきたので、MTの免許が必要ではなくなっているのです。

 警視庁が発表する年度ごとの運転免許取得者の統計を見ると、2011年度の運転免許保有者は約153万人で、そのうちAT限定免許の割合が36.7%だったのに対し、2018年度は64.9%にまで増加しています。

 さらに、統計には都道府県ごとのAT限定免許取得者の比率も記載されており、2018年度の統計では東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、兵庫県という大都市ではAT限定免許取得者は70%を超えており、「都市部ではAT車に乗りたい」というニーズが顕著に現れています。

 AT車のメリットのひとつとして挙げられるのがMTモードの存在です。AT車は常にDレンジに入れてシフト操作をクルマ任せにするのが基本ですが、MTモード付きのクルマではハンドルのパドルやシフトレバーのMTゲートを使うと、ドライバーが任意でギアを選べるようになります。

 実際のMT車ほどではありませんが、MTモード付きのATではドライバーが任意のタイミングでギアを変えられるうえ、シフトダウンの際にはブリッピング(MTだとクラッチを切ってアクセルを吹かす回転合わせ)をしてくれるなどスポーティなフィーリングも楽しめ、MTモードがあるAT車はかなりMT車に近いフィーリングが味わえます。

 これだけAT車が進化しデメリットが皆無になるとさらにメリットが目立つようになり、MT車はあまり売れないのでメーカーも車種を減らすようになり、MT車が絶滅危惧種となるのもよく分かります。

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