シルビアは神々しい名前だった!? 神や神話にまつわる名前が与えられたクルマ5選

クルマの名前はさまざまなものから付けられます。なかには「マツダ3」のように記号や数字が車名というクルマもありますが、独特な名前があったほうが親しみもわきます。そこで、神の名前や神話から名前をとったクルマを紹介します。

神話や神の名前からクルマの名前を付ける

 クルマの名前の由来はさまざまです。完全な造語や、単純に形容詞や名詞などから採用することもあります。

「シルビア」という響きも美しい名前

 一方「マツダ3」のように数字や記号で、車格をわかりやすく表現するような名称もあります。

 車名はデザインと同じく、売上を左右するほど重要なものなので簡単に決めるわけにはいけません。メーカーとしては、まさに神頼みしたくなるのではないでしょうか。

 そこで、神話に登場する名称や神の名前のついたクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ヤリス」

欧州ではトヨタを代表するコンパクトカーとして定着している「ヤリス」

 トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」は欧州では「ヤリス」という名前で売られています。世界ラリー選手権などモータースポーツで活躍することもあるため、日本でもニュースなどでヤリスがヴィッツの欧州名であることを知る人も多くなってきました。

 ヤリスの名前はギリシャの美と優雅さの女神「カリス」にちなんで命名されたものです。ヤリスの発表は1998年10月のパリモーターショーですから、日本でのヴィッツの発表よりも先になります。

 また、開発は日本だけでなくヨーロッパでも行なわれたこともあり、本来ならばヴィッツよりもヤリスのほうがピッタリくるのかもしれません。

 なお、ヴィッツは次のモデルチェンジから日本でもヤリスになるという噂もあります。

 ヤリスが活躍する世界ラリー選手権が日本開催となれば、同じ形のクルマが違う名前で走っていることになりかねませんから、名称統一は自然な流れといったところなのでしょう。

●ホンダ「オデッセイ」

より乗用車に近い乗り味を求めたミニバンの「オデッセイ」

「オデッセイ」という名前自体は、古代ギリシャでギリシャ神話と並んで有名な長編叙事詩である「オデュッセイア」を語源とし、英語圏では長い航海という意味あいでよく用いられます。

 そうしたことから、アメリカの火星探査機の名前や、映画化された有名なSF小説『2001年宇宙の旅』の原題『2001:A Space Odyssey』や、その後の映画のタイトルにも「オデッセイ」が使われました。

 ホンダ「オデッセイ」は1994年登場の3列シートのミニバンです。それまでの3列シートの多人数乗車のクルマといえば貨物車ベースのワンボックスカーばかりというなか、乗用車に近い背が低いタイプで、走行安定性も高いとなれば、車名のとおり長距離の旅行にも適したクルマといえます。

 オデッセイはその後、さらに低床化が進められ走行性能を高めています。また、オデッセイの後に登場した上級ミニバンの「エリシオン」は「オデュッセイア」に登場するギリシャ神話の楽園の名「エーリュシオン」の英語読みです。

 このことから、エリシオンは現在、オデッセイに統合されたモデルになっているという点で興味深いところです。

●日産「シルビア」

スペシャリティカーから走り屋ご用達のクルマに変化した「シルビア」

 日産「シルビア」の名前は、ギリシャ神話の美しい女神である「シルビア」に由来しています。

 1965年に発売された初代シルビアは、その名の通り流麗な外観が特徴で、セミハンドメイドで作られたたことから非常に高価なスペシャリティカーでした。

 2代目は「ニューシルビア」となり、初代とはだいぶ性格が異なったクルマでした。また、4代目ではモータースポーツでの活躍、そして5代目からは走り屋の印象が強いクルマになりました。

 シルビアという名前は歌手やアナウンサーでも有名なため女性の名前として知られていますが、日産シルビアは名前の由来とは別の方向に向かってしまったようです。

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