アウディ 新型「A6」に試乗 8年ぶりに刷新した次世代プレミアムカーの魅力とは

340馬力 500NmのV型6気筒ターボエンジンは豪快かつスムーズな加速

 一般道から高速に乗り、料金所を少し越えたところでアクセルを全開にします。Sトロニックはタイムラグもなくシフトダウンし、加速体勢に入ります。エンジンは「待ってました」といわんばかりに勇ましく吠え、タコメーターは瞬時に跳ね上がります。

アウディ 新型A6 Avant 55 TFSI quattro S line

 340馬力、500Nmの加速は豪快ですが、Sトロニックの途切れのない変速のおかげで異常なほどスムーズです。アクセルを踏み込んだ瞬間から強烈なGをシートバックに感じることができ、ここで初めてエンジンのエキゾーストノートを感じることができました。

 高剛性ボディとquattroシステムにより、全開加速中でもタイヤが路面を捉えている感覚をつかめるので、不安を感じることはありません。0から100キロまでの加速を5.1秒でこなすA6の合流加速は、まさに一瞬のできごと。最高速は250キロ(リミッター作動)に達するとのことなので、日本の道路であればどんな速度域からでも強烈で思いのままの加速感を味わえるでしょう。

 ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)の制御もごく自然でストレスを感じません。例えば前走車が割り込んできたとき・抜けていったときは、「自分ならここでブレーキを踏む・ここで加速する」という感覚がクルマの制御とリンクしないことが良くありますが、A6はこのあたりの制御がとても自然に感じました。

 ステアリングアシストも装備されているので、高速道路であればハンドルに手を添えておくだけで快適なクルージングをこなせるでしょう。また、ACCに付随された「トラフィックジャムアシスト」機能は渋滞走行中に威力を発揮します。

 多くのクルマではACC作動中に停止をすると、ドライバーがスイッチ操作やアクセル操作をしない限り再スタートはしません。しかし、A6のトラフィックジャムアシストは停止してから3秒以内に前走車が発進すると自動で追従走行を開始してくれるのです。この機能は一般道でも使用することができるので、さまざまなシーンでドライバーの疲労軽減に貢献することでしょう。

 アウディ 新型A6 Avantの印象をひとことでまとめると、「次世代のプレミアムスポーツワゴン/セダン」といったところでしょうか。試乗の後半は「何か悪い部分を見つけてやろう」などと意地悪な考えも浮かびましたが、それが見つからないほどの出来栄えでした。

 静かさと乗り心地の良さを突き詰めた欧州プレミアムカーに飽きてしまった人は、一度アウディA6に試乗してみることで、他メーカーのクルマでは感じることのなかった新しい発見をすることができるかもしれません。

【了】

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Writer: くるまのニュース編集部

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