世界最高レベルを実現! 中身が大きく進化したBMW新型「3シリーズ」の実力とは

自動ブレーキの性能は世界最高レベル

 高回転まで気持ちよく回る2リッター直噴ターボエンジンを搭載する最上級グレードの「330i Mスポーツ」は、258馬力/400Nmという必要にして十分過ぎるパワーを発揮します。というか日本の道路事情だと使い切れないほどです。

BMW 新型「3シリーズ(330i Mスポーツ)」

 その点では、日本市場の特性を考慮して専用チューニングされた184馬力/300Nmの「320i」でも、満足出来そうだと感じました。

試乗車は、乗り心地の点では不利になる19インチのランフラットタイヤを履いていましたが、ガタガタする感じはありません。もちろん「素晴らしい!」と評価出来るレベルでこそないものの、日本車のような乗り味である先代のランフラットタイヤで納得出来ていたようなら全く問題ないでしょう。

 320iの標準装着タイヤである16インチだと、極上の乗り味か楽しめるのかもしれません。

新型3シリーズの大きなセールスポイントが、日本初導入となる新世代の高性能3眼カメラを使ったドライバーアシストです。時速100キロにクルーズコントロールをセットして、同時にレーンキープも試してみます。

 新型3シリーズの素晴らしさは、ハンドル保持確認のために静電センサーを採用している点にあります。普通のクルマはステアリング軸のトルクセンサーでハンドル握ってるかどうかで判断するのですが、良いクルマだとハンドル操作しなくてもまっすぐ走ってくれます。すると、ハンドルを握っていないと判定され、「ハンドル握れ!」と警告されちゃうのです。

 スバルもボルボもトヨタもメルセデス・ベンツも、ハンドル握ってないと警告が出ます。コストは高くなるけれど、BMWのように静電センサーを採用すれば、ハンドルに触れていれるだけで保持確認できるのです。3シリーズ、大満足です!

新型3シリーズは、当然の如く自動ブレーキの性能も高くて、とくに、クルマの陰から歩行者が出てくる試験モードが秀逸です。

 最も性能が高かった車種でも、これまでは子供のダミーに対して時速40kキロでしか停止出来なかったのに、BMWの新しいセンサーは時速50キロでも停止可能です。もちろん夜間の歩行者だって認知出来ます。現時点では、新型3シリーズの自動ブレーキは世界最高性能を誇るといえるでしょう。

【了】

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Writer: 国沢光宏

Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。

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