まだSUV続く? ミニバン・コンパクトカーなど過ぎゆくトレンドの次なるクルマ業界の一手とは
自動車業界は、平成の30年間でさまざまなトレンドを経験してきました。「セダン」「ミニバン」「SUV」など、多様なボディタイプが登場していますが、次なるトレンドとはどんなものなのでしょうか。
今後の自動車業界におけるトレンドはどうなる?
世の中にインターネットが普及し、誰もが携帯電話を持って世界中どこにいても簡単に連絡がとれる時代へ。30年続いた平成を振り返ってみると、世の中は大きく変化しました。もちろん、クルマのトレンドも時代に合わせて移り変わっています。
過去には、「セダン一強時代」や「ミニバン」、今に続く「SUV」などボディタイプ毎のトレンドが登場しましたが、これからのクルマ業界ではどのようなものが現れるのでしょうか。
ちょうど30年前となる平成元年の1989年。日本には史上空前の好景気が訪れており、多くの国民が舞い上がっていました。当時の人気モデルといえば、1位のトヨタ「カローラ」に続き、2位 トヨタ「マークII」、3位 トヨタ「クラウン」とセダンの人気が高かったほか、ホンダ「プレリュード」、日産「シルビア」など気軽に楽しめるクーペを当時の若者は好んで乗ったのです。
なかでも大ヒットした日産「シルビア(S13型)」は、1989年に年間8万1200台も販売しています。2018年は登録車販売台数一位の日産「ノート」が13万6324台を販売し、12位の人気コンパクトSUVトヨタ「C-HR」も7万6756台を販売していますので、比べてみると当時のシルビア人気の凄さがうかがえます。
2000年前後になるとミニバンブームが訪れます。2000年の新車販売ランキング(軽自動車を除く)でトップ10のうち、3位のトヨタ「エスティマ」、4位のホンダ「オデッセイ」、そして9位のホンダ「ステップワゴン」とミニバンが3台もランクイン。
その後、2008年にはホンダ「フィット」がそれまで33年間王者に君臨していたトヨタ「カローラ」を抜いて年間トップに輝いたのです。しかし翌年には、トヨタ「プリウス」が首位を奪還。「フィット」の登場はコンパクトカー人気を確実なものとし、「プリウス」のブレイクはハイブリッドカーの定番化といえるきっかけとなります。
現在は、SUVがトレンドでここ5年の間に日本国内の市場規模は約2倍まで拡大しました。平成から令和に変わる時代の節目となり、クルマ業界のトレンドはどのような変化を遂げるのでしょうか。
自動車メーカーの関係者は「あくまで個人的見解」としたうえで、次のように話します。
「ボディサイズやジャンルを問わず、SUVクロスオーバー的なクルマはさらに市場が広がっていくと考えています」といいます。
また別のメーカーの関係者も同様に次のように説明しています。
「軽自動車のクロスオーバーSUVはさらに盛り上がるのではないでしょうか。大きなクルマに一定の需要が残りつつも、小さなサイズのクルマが増えていくと思います。
また、SUVが定番化し、SUVのなかでもジャンルが細分化するとみています。いちど視線の高いクルマに慣れてしまうと、もう低くて見晴らしの優れないクルマには戻れなくなってしまうのですよ」
いい加減、無駄にデカくて邪魔な「ミニバン」の呼び方を改めませんか?
「デカバン」もしくは「送迎バン」と呼ぶのがふさわしい。