ETC導入から18年 円滑な交通社会を実現したETC今後の変革とは

普段、高速道路を走行していると利用することの多いETCサービス。最近では、世間的にキャッシレス化が進んでいますが、18年前にはETCを利用することでスムーズな交通社会を実現していたのです。ETCが普及したことでどのような変化があったのでしょうか。

ETCによってクルマの移動はどう変わった?

 高速道路を利用する上で、何かと便利なサービスとして多くの人が利用しているのが「ETC」です。2019年2月現在、全国の利用率は91.9%となり、1日あたり約900万台が利用しています。

 円滑な交通社会を実現するために実装された「ETC」は、クルマの移動に対してどのような変革をもたらしたのでしょうか。

ETCの登場は「移動の変革」といえる

 ETCの正式名称は、電子料金収受システム(Electronic Toll Collection System)といい、頭文字をとった略称で呼ばれています。高度道路交通システムのひとつとして、高速道路や有料道路を利用する際に料金所で停止することなく通過できるシステムです。

 1994年に当時の建設省(現:国土交通省)と道路公団各社が共同でシステムを開発。その後、幾度の試験運用を重ね、首都圏の一部からサービスを開始していき、2001年11月に全国でのサービスが始まります。

 ETCサービスが、本格的に導入される以前の2000年頃は、高速道路における渋滞の約3割が料金所で発生していました。その料金所渋滞を解消するため、1台にかかる料金徴収時間の短縮を目的として、ETCサービスが誕生したのです。

 また、ETCサービスを活用した深夜割引や早朝夜間割引などの時間帯割引などの導入により、交通量が減少する時間帯を割引対象とすることで、交通量の緩和とともに渋滞対策の効果が発揮されています。

 その後、無人料金所として、スマートICの整備が急速に進みます。これは、従来の料金所を建設する規模や費用を大幅に軽減することが可能となるほか、観光地への渋滞緩和や新たな物流ルートの確保など、さまざまな面での経済効果も出ているのです。

 ETCの普及による渋滞低減について、国土交通省は次のように説明しています。

「ETCの導入により、ノンストップで料金所を通過することで、料金所渋滞の解消が図られています。また、ETC時間帯割引の導入により、割引時間帯への交通転換が図られることで、本線の渋滞も緩和されるなど、あらゆる面で渋滞緩和につながっています。

 さらに、『ETC2.0』の実装により渋滞の解消以外にもキャッシュレス化による利便性向上や渋滞による不快感の解消、交通が特定の時間や場所に集中するのを減らしたり、事故を未然に防いだり、道路の劣化を緩和することが可能となります」

 ETC2.0とは、高速道路と自動車がリアルタイムに情報連携して、渋滞の迂回ルートや安全運転サポート、災害時の誘導など、便利で快適なドライブ体験を提供するサービスです。

 今後、ETC2.0を活用したサービスとして、ETCの普及団体であるITSサービス高度化機構は、「将来的な展開として、このような駐車場やガソリンスタンド、ドライブスルー店舗での料金決済サービス、フェリー乗船の簡素化などが可能になります」といいます。

※ ※ ※

 また、さらなる料金所の渋滞を緩和するべく、ETC料金所の開閉バーを廃止すると、「どれぐらい渋滞が減るのか」という実験を国土交通省が2015年に実施。

 安全性の確保とともに、渋滞緩和の効果が確認されれば、国交省は全国の料金所でバーの撤去を検討する方針としています。

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2件のコメント

  1. >今後、ETC2.0を活用したサービスとして、ETCの普及団体であるITSサービス高度化機構は、「将来的な展開として、このような駐車場やガソリンスタンド、ドライブスルー店舗での料金決済サービス、フェリー乗船の簡素化などが可能になります」といいます。
    すでに15年間言い続けて未だに実現しない(むしろ撤退方向)のもの。なぜいつまでもこんなことを言い続けるのか?。漠然と「ETC2.0はいいものだ」というイメージを消費者に与えようとしてるだけで、全くメリットはない。消費者に寄り添うべき自動車メディアであるなら、走行データ取得が目的で消費者にメリットがなく高いだけのETC2.0をあたかも良いもののように推奨するような記事を書くべきではないと思うが。

  2. ETC2.0へは、機器の買い替えが必要なんだろ。
    そんな専用機を押し付けるのではなく、スマホなどのデバイス利用にシフトしてくれないかな。
    特定のところに利益が流れているとしか思えないシステム。

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