クルマの2トーンルーフはなぜ増えた? 車種ごとに狙いの違いも
近年発売されるクルマには、ボディを異なる色で塗り分ける2トーンルーフが採用されることが多くなりました。メーカーはなぜ2トーンルーフを採用するのか、そしていつ頃から採用され始めたのかに迫ります。
意外と昔からある純正2トーンルーフ採用車
ひと昔前のクルマではカスタムの手法のひとつだった、ボディカラーとルーフが違う色で塗り分けられているクルマを最近よく見かけるようになりました。2トーンルーフを採用することにより、クルマの印象は大きく変わってきます。パステル系のボディカラーにホワイトのルーフであればポップな印象になりますし、赤や青のボディに黒いルーフを与えればボディが締まって見えスポーティさが増します。
では、実際に2トーンルーフはいつ頃から増えてきて、どのようなユーザーに人気があるのでしょうか。販売している多くの車種に2トーンルーフを採用している、スズキの広報担当者にお話をうかがってみました。
――なぜ2トーンルーフが増えてきたのでしょうか
お客様がクルマの車種を決める理由の上位に「車体色」が入ることが多くなっています。ファッションにこだわりがある方や、より個性を求められるお客様などさまざまですが、そのようなお客様にも選んでいただけるように、豊富なカラーラインアップに加えて、2トーンルーフを採用した車種の設定を増やしています。
――2トーンルーフはいつから増えたのでしょうか
2002年に発売した軽自動車「ラパン」より2トーンルーフを設定しています。その後、2013年に発売したスペーシア、2014年に発売したハスラーなど採用車種を増やしていきました。現在は「ジムニー」「クロスビー」「スイフト」「ソリオバンディット」などにも2トーンルーフを採用しており、いずれもお客様からたいへん好評です。
――2トーンルーフを採用したクルマにはどのような狙いがありますか
車種によって異なる狙いはありますが、2トーンルーフを設定することで、そのクルマの魅力を更に際立たせることが可能です。
2014年に発売した新ジャンルの軽クロスオーバー「ハスラー」の場合ですと、その魅力を表現する為に、専用に開発した「パッションオレンジ」、「サマーブルー」、「キャンディピンクメタリック」のヴィヴィッドカラーに、ホワイトのルーフを組み合わせました。2トーンルーフの採用により、楽しさやワクワク感をより強調させています。
2017年に発売したスペーシアのデザインは、スーツケースをモチーフにしています。そのデザインテーマをより特徴的に見せる手法として、2トーンルーフにすることで、サイドから見るとドアサッシュのグラフィックがスーツケースの取っ手のように見えるようになっています。
――2トーンルーフを選ぶのはどのような方が多いですか
ファッションにこだわりがあるお客様や、より個性的なクルマを求められているお客様が2トーンルーフを選ばれることが多いです。
――2トーンルーフを選ぶデメリットはありますか
基本的にデメリットはありませんが、単色塗装のボディーカラーに比べて塗り分ける時間が増えるため、販売価格が若干上がっております。ですが、2トーンルーフは価格の上昇以上に魅力が大きく、デメリットにはならないと認識しています。ぜひご自身の好みやライフスタイルのイメージにピッタリ合うカラーを選んでいただき、楽しいカーライフを贈ってください。
※ ※ ※
メーカーが2トーンルーフを採用する理由は車種によってさまざまですが、幅広いユーザーニーズに応えられるよう、商品の魅力を上げることに主な狙いがあることが分かりました。
以前までは軽自動車など小排気量のクルマに多く設定されていましたが、最近では他メーカーの登録車でも2トーンルーフを採用する車種が出てきました。より個性的なクルマを求める人が増えている昨今ですから、2トーンルーフを設定した車種もこれからもっと増えてくるかもしれません。
【了】
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。