ランクル、サファリ、マービー…嗚呼懐かしのクロカン四駆5選
いまから20年以上前のことですが、日本でSUVが流行したことがありました。それはRVブームと呼ばれ、とくに高価なクロカン4WD車が大人気となります。そこで、RVブームのころに人気のあったSUV5車種をピックアップして紹介します。
RVブームを牽引してきたクロカン四駆
近年、世界的に好調なセールスを続けているクルマといえばSUVです。ここ数年で国内外の各メーカーは、新たなSUVをラインナップしています。
日本でもSUVは、ミニバンやステーションワゴンからの乗り換え需要もあり、売れているクルマではありますが、いまから20年以上前にもSUVが売れていたことがあります。
それが1990年代のRVブームです。RVとはレクリエーショナル・ビークルのことで、レジャーやアウトドアを楽しむためのクルマという意味です。
このRVブームを牽引してきたのが、クロスカントリー4WD(以下、クロカン車)でした。
クロカン車は本格的な悪路も走れるヘビーデューティーなモデルで、日本ではほとんど性能を発揮する機会はありませんでしたが、若者を中心に人気を博しました。
そこで、RVブームのころに人気のあったSUV5車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「ランドクルーザー」
世界中で信頼性や走破性の高さから絶大な評価を得ているトヨタ「ランドクルーザー」は、60年以上もの歴史を持つ、日本を代表するクロカン車です。
なかでも現行最上級の200系モデルは、砂漠も走れるラグジュアリーカーとして、国内外で高い人気を誇っています。
そのランドクルーザー200系のふたつ前の80系が、まさにRVブームのころに販売されていたモデルでした。
1989年に発売されたランドクルーザー80系は5ドアのワゴンタイプのボディで、3列シート乗用車のワゴンと、2列シート商用車のバンがありました。
パワートレーンは年式、グレードで異なりますが、4リッターと4.5リッター直6ガソリンエンジンと、4.2リッター直6ディーゼルを搭載。トランスミッションは4ATと5MTが組み合わされ、当時はまだ駆動系の電子制御化は進んでおらず、悪路ではドライバーの腕が試されました。
なお、ランドクルーザー80系は北米では初代レクサス「LX」として販売された記念すべきモデルです。
●日産「サファリ」
日産はトヨタ「ランドクルーザー」に対抗すべく、大型クロカン車「サファリ」を1980年から発売しました。
1987年には2代目にモデルチェンジし、RVブームで人気が上昇。ラインナップは2ドアのショートと、4ドアのロングがあり、初期は商用車のバンのみでしたが、乗用車のワゴンが追加されます。
エンジンは4.2リッター直6のディーゼルとガソリンを搭載(後に2.8リッターディーゼルが追加)。トランスミッションは4ATと5MTが組み合わされました。
丸みをおびてスマートな印象だったランドクルーザーに対して、サファリは直線基調なデザインでしたが、その無骨さが逆にかっこいいという評価もありました。
当時は同時期に「テラノ」と「ミストラル」というクロカン車もあり、いま思うと贅沢なラインナップです。
サファリは1997年にフルモデルチェンジを行ない3代目となりましたが、このモデルをもって日本での販売は終了してしまいました。
●マツダ「プロシードマービー」
現在のマツダは「CXシリーズ」というSUVラインナップがありますが、どれもクロスオーバータイプのライトなSUVです。
しかし、マツダもかつてはクロカン車を販売していたことがあります。それが1991年に発売された「プロシードマービー」です。
プロシードマービーはピックアップトラックのプロシードのはしご型フレームに、ワゴンタイプのボディを載せた乗用車で、この手法は日産「テラノ」やトヨタ「ハイラックスサーフ」と同様でした。
ボディは3列シート7人乗りの3ナンバー専用とし、パワートレーンは2.6リッター直4ガソリンエンジンと2.5リッター直4ディーゼルエンジンを搭載。トランスミッションは4ATと5MTがあり、全車副変速2段のパートタイム4WDとなっていました。
サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアがリーフリジッドとピックアップトラックによく採用された形式です。頑丈な作りとなっておりクロカン車には最適なサスペンションでした。
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