昭和の少年が夢中になった名車たち スーパーカー5選

永遠のライバル、フェラーリとランボルギーニ

●フェラーリ「365GT4BB/512BB」

スーパーカー2大巨頭の1台だった「512BB」

 もはや説明の必要がないほど有名な2大スーパーカーメーカーのひとつ、フェラーリですが、ブームのころ数々の名車が日本に紹介されました。

 なかでももっとも人気があったのが1973年デビューの「365GT4BB」です。当時、フェラーリのネーミングは1気筒あたりの排気量で表され、365GT4BB(ベルリネッタ・ボクサー)は4.4リッターの4カムシャフト水平対向(ボクサー:厳密には180度V型の構造)12気筒エンジンをミッドシップに搭載したGTでクーペボディ(ベルリネッタ)という意味です。

 最高出力は385馬力、最高速度は302km/hと発表されていましたが、当時のイタリア車は馬力表示もスピードメーターも甘いともいわれ、いまとなっては公称としていますが、当時の少年たちにしてみれば302km/hという数字だけで満足でした。

 1976年に365GT4BBは排気量をアップし5リッターエンジンとなったことで、車名は512BB(5リッター12気筒)となりましたが人気に陰りはなく、フェラーリを代表するスーパーカーと認められていました。

●ランボルギーニ「カウンタック」

スーパーカーの代名詞的存在でいまも語り継がれる「カウンタック」

 昭和のスーパーカーブームを象徴するモデルといえば、やはり1974年デビューのランボルギーニ「カウンタック」は欠かせません。実際に先のフェラーリ「365GT4BB」と人気を二分するカタチでした。

 カウンタック最大の特徴であるガルウィングドア(いまではシザーズドアに分類)と、外観のデザインそのものは、当時の常識では考えられないほどのインパクトがあり、スーパーカーという言葉は、まさにカウンタックのためにあったと言っても過言ではありません。

 エンジンは375馬力を誇る4リッターV型12気筒をミッドシップに搭載し、最高速度は300km/hとフェラーリに対抗していましたが、どうやらこちらも公称だったようです。

 ただ、そんな数字よりもカウンタックという存在そのものが、日本の少年たちの胸を高鳴らせたことでしょう。

 なお、カウンタックは1990年まで販売されたロングセラーなスーパーカーでした。後継車の「ディアブロ」、「ムルシエラゴ」、現行車の「アヴェンタドール」は、V12エンジンとシザーズドアという伝統を受け継いでいます。

※ ※ ※

 スーパーカーブーム当時、小学生から中学生だった少年たちは、平成になったころは成人していた世代です。そのままクルマ好きな大人になった方もいるでしょう。

 高性能でかっこいいクルマに憧れ、大人になっても忘れず、高性能車を乗り継いでいるという方も多いと思います。

 いま、かつてのスーパーカーは投機の対象となり、価格も常軌を逸した高騰を続けているので庶民には手が届かないところにあるのは残念ですが、反面、後世に残るべきクルマとして扱われるのは良いことなのかもしれません。

【了】

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