昭和の少年が夢中になった名車たち スーパーカー5選
いまから40年以上も前、昭和の時代に日本では空前のスーパーカーブームがありました。イタリアやドイツ、イギリスのメーカーが作ったスーパーカーに多くの少年たちが目を輝かせました。そこで、昭和の少年たちが熱狂したスーパーカー5車種をピックアップして紹介します。
非日常的なことがスーパーカーの証だった
2019年4月1日に新元号「令和」が発表され、30年続いた平成も残りわずかとなりました。
その平成のさらに前、昭和の時代に小中学生を中心に「スーパーカー」が一大ブームになったことがあり、これが世にいう「スーパーカーブーム」です。
スーパーカーの定義はさまざまな意見がありますが、共通しているのは非日常的な前衛的なスタイルに、高性能なエンジンを搭載したクルマでした。
そこで、昭和の少年たちが熱狂したスーパーカー5車種をピックアップして紹介します。
●ロータス「ヨーロッパ」
ロータスは天才技術者コーリン・チャップマンが、イギリスでバックヤードビルダー(裏庭でクルマを作ったりチューニングする)を経て作ったスポーツカーメーカーです。
後にF1マシンまで作るほどの高い技術力を持っていたロータスは、高性能なクルマも数多く生み出しましたが、その1台が「ロータスヨーロッパ」でした。
日本ではスーパーカーブームの火付け役となった「サーキットの狼」の主人公が、このロータスヨーロッパに乗っていて、必然的に少年たちの憧れの的になります。
なかでも1972年に発売された1.6リッターDOHCエンジン(ビッグバルブのロータスツインカム)を搭載するシリーズ最後の「ロータスヨーロッパ スペシャル」は、その地を這うようなスタイルも完成形の域に達し、イギリスを代表するスーパーカーでした。
●ランチア「ストラトス」
戦前から先進的でユニークなクルマを作っていたイタリアのランチアは、1970年代以降はモータースポーツで活躍するスポーツカーメーカーとして名を馳せます。
とくにスーパーカーとして注目されたのが1974年製造のランチア「ストラトス」でした。ストラトスはカロッツェリア・ベルトーネによってデザインされ、モータースポーツで勝つことだけを目的に作られた生粋のスポーツカーです。
エンジンはフェラーリ製の2.4リッターV型6気筒をミッドシップに搭載し、リアタイヤを駆動するMRに。世界ラリー選手権を中心に数年間に渡って活躍します。
当時のラリーカーのなかでも異彩を放つスタイルのストラトスは、多くの少年たちを魅了しました。
ストラトスはいまも世界的に人気が高く、いくつものレプリカが作られ、2019年2月にはイギリスのメーカーが作ったレプリカが日本でもお披露目されました。
●ポルシェ「930ターボ」
「911」は50年以上前にデビューしたポルシェを代表するスポーツカーです。いまの911はあらゆる性能が高度に進化していますが、スーパーカーのカテゴリーに入ることはないでしょう。
しかし、1975年に発売された「930ターボ」(後に911ターボに改名)は、紛れもないスーパーカーでした。
911シリーズは1974年に大きな転機となるモデルチェンジがありました。いわゆる「ビッグバンパー」と呼ばれるアメリカの安全基準に適合した変更です。そして、911のもうひとつの歴史的な転機は、1975年の930ターボの発売ではないでしょうか。
これまでレースで培ったターボの技術を初めて市販車に投入。ポルシェとしては930ターボを高性能なだけではなく高級なスポーツカーとして企画したといいます。
流麗な911のボディに、大きく張り出した前後のフェンダーと巨大なリアスポイラーを装着したスタイルは、当時の国産車ではありえない、まさにスーパーカーと呼ぶにふさわしいものに。
3リッター空冷水平対向6気筒ターボエンジンは260馬力を発揮し、いまとなっては平凡な値ですが、当時の国産車の水準からすると驚異的なパワーでした。
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