デビュー直前情報! 新型日産「デイズ」・三菱「eK」はなにがスゴイ?
先進運転支援システムの進化
もうひとつの特徴が、日産が開発を担当することになった大きな理由でもある先進安全技術や運転支援技術です。
大きなトピックは、先進運転支援システムの軽自動車初採用。日産は普通車と同様に「プロパイロット」、初搭載となる三菱自動車では「MIパイロット」という名称で採用しました。
これは、高速道路走行時にドライバーがアクセルやブレーキの操作をしなくても前を走るクルマにあわせて速度を最適に自動調整し、車線の真ん中を走るようにハンドル操作もアシストしてくれる仕掛けです。
ホンダも「N-BOX」など軽自動車で同様の機能を備えていますが、そちらは低い速度域になるとシステムの作動が止まり、渋滞時には機能しません。しかし、「デイズ」や「eK」では渋滞での停止保持までおこなう、より高度なタイプが用意されています。
また、カメラとソナーを併用する踏み間違い衝突アシストは、離れた車両や人も検知し、速度も約25km/hまで対応と高機能。さらに、エンジン出力を抑えるだけでなく後退まで含めてブレーキを作動させるのは軽自動車として唯一です。そのうえ、サイドエアバッグやカーテンエアバッグまで全グレードに標準装備するのも特徴といえるでしょう。
興味深いのは、三菱で用意される「eK X(クロス)」というモデルです。なんと新型「eKワゴン」には従来のようなカスタム仕様が用意される、アウトドアテイスト溢れるクロスオーバーSUVがラインナップされると発表されました。
一方で、日産は上級仕様として従来通りの「デイズ ハイウェイスター」が用意され、両車で異なる展開となっているのです(日産には「eK X」のようなクロスオーバーSUVは用意されません)。
三菱の益子修CEOは「eK X」について「行動範囲を広げたい人に向けた、三菱らしいモデル」と期待を語ってくれました。
両社の新型軽自動車に関し、日産自動車専務の星野朝子さんは、「軽自動車戦略はNMKVを通して両者のうまみをだしてきた。その集大成がこの新型軽自動車」といいます。詳細が発表されるのは2019年3月28日です。
また、三菱「eKシリーズ」は、同年3月14日から予約受注を開始しているのに対して、日産は公式には3月中発売としか発表していません。このあたりも両社における販売戦略の差を感じられます。
【了】
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。