経済性の優れたディーゼルモデル登場! アルファロメオ「ステルヴィオ」の楽しさとは
イタリアの自動車ブランド「アルファロメオ」。同社初となるSUVモデル「ステルヴィオ」に、経済性の優れたディーゼルモデルが登場。ガソリンモデルにも匹敵する乗り味とはどんなものなのでしょうか。
アルファロメオ初のSUV「ステルヴィオ」にディーゼル登場
ディーゼル乗用車は、日本においては10年ほど前だと選べる車種がほとんどない状況でした。しかし、現在は多くの車種が選べ、とくに輸入車ではメルセデス・ベンツやBMWなど欧州のプレミアムブランドに多いのが目立ちます。
そんななか、アルファロメオが同社初のSUV「ステルヴィオ」にディーゼルエンジンを搭載し、日本でも発売することになりました。
搭載されるエンジンは、アルミブロックや中空カムシャフトなどを採用した広範囲の軽量化により重量が155kgと軽く作られているのが特徴。その重量は、現在販売される同程度のディーゼルエンジン(最高出力160PS以上の排気量2リッターから2.2リッター4気筒ターボディーゼルエンジン)のなかでもっとも軽量というのが自慢です。エンジンの軽さは、クルマの運動性能に大きく関わってくるのは言うまでもありません。
アルファロメオは、「ステルヴィオ」だけでなくセダンの「ジュリア」にも同じタイミングでディーゼルエンジン搭載車を設定しましたが、興味深いのはスペックが異なること。いずれも「ステルヴィオ」や「ジュリア」のプラットフォームと並行して開発された最新タイプであり、排気量2.2リッターの4気筒と基本設計は共通です。
しかし、「ステルヴィオ」用が最高出力210PS/最大トルク470Nmなのに対し、「ジュリア」用は190PS/450Nmとやや控えめなのです。
販売元のFCAジャパンによると「それぞれの車両の特性に合わせて最適化した組み合わせ」と言います。加速の指標のひとつである0-100km/h加速タイムは「ステルヴィオ」が6.6秒なのに対し、ジュリアは7.2秒。セダンよりもSUVのほうが速いという状況は、昨今のSUVの高性能ぶりを演出しているのかもしれません。
ディーゼルエンジンといえば、まず気になるのはガラガラとした音の水準。エンジンをかけた実車に近づいたところ、昨今のディーゼルエンジン搭載車の中でとびきり静かというほどではありませんが、かといって煩いディーゼルエンジンでもありませんでした。
室内に乗り込んでしまえばエンジン音はほぼ気にならないし、振動が少ないことにも驚きました。このあたりは、オーナーも満足できる仕上がりだと思えます。
走り出して感じたのは、元気のよさでした。ディーゼルエンジンは低回転トルクが太いのが特徴で、おかげで同程度の排気量のガソリン車に比べて力強い発進加速を味わえます。
一方で、エンジン回転を上げていったときのパワーの盛り上がりではガソリン車にかないません。高回転で加速度が増していく感覚を得にくいのです。とくに4気筒ディーゼルエンジンはその感覚が顕著です。
ところが、「ステルヴィオ」は4気筒ディーゼルでありながらも高回転域でしっかりと盛り上がるパワー感を持っていることに驚きました。3000回転を超えてから一段とパワーが盛り上がる味付けで、ここまでエンジンを回すことが楽しい特性を持つディーゼルエンジンは珍しく、この感覚こそがアルファロメオらしいディーゼルエンジンといえるでしょう。