経済性の優れたディーゼルモデル登場! アルファロメオ「ステルヴィオ」の楽しさとは
経済性の優れたディーゼルモデル
アルファロメオは、人間の感性に訴えかけてくるような走りの楽しさを追求するクルマ作りをおこなってきたメーカーで、その運転の楽しさは大成功した同社の名車たちが証明しています。「アルフェスタ」と呼ばれる人たちの多くは、そこに大きな魅力を感じてアルファロメオを選びます。
ディーゼルエンジンを搭載した「ステルヴィオ」に乗って感じたのは、そんな状況を、なによりアルファロメオ自身がしっかりわかっているということ。だからこそ、ディーゼルエンジンを搭載するにあたっても、ファンが何を求めているのかしっかりと理解し、その期待を裏切らない元気のいい特性にしてきたのです。
もうひとつ感じたのは、ディーゼル化による運動性能への弊害を感じなかったこと。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べると重くなりがちで、その結果としてハンドルを切ってからクルマが向きを変える動き(回頭性)が鈍くなりがちですが、「ステルヴィオ」のディーゼル車では全くそれを感じませんでした。
ガソリン車と同様に、曲がりはじめの挙動はSUVとは思えないほどシャープに切り込んでいき、スポーティ感抜群です。ここも、アルファロメオらしい特性と思えます。
一方で、このディーゼルエンジン搭載車は経済性に優れているのもトピックです。車両価格は、装備水準が同程度のガソリン車「2リッター ターボQ4」が655万円(税込)なのに対してディーゼルエンジン搭載車「2.2リッター ターボディーゼルQ4」は617万円と38万円も安い戦略的な設定。
そのうえ、2019年3月時点では購入時に自動車取得税と自動車重量税(合計で20万円を超える)が免税となるので、ガソリン車よりも60万円近く購入費用を安く抑えることができるのだから大きな魅力です。
さらに、燃費がガソリンエンジンに比べて大幅に向上しているうえに、燃料のディーゼルはハイオクガソリンに比べて単価が安いのでランニングコストでも大きく有利。FCAの広報担当者が言うように「ディーゼルエンジン搭載車は『ステルヴィオ』のユーザー層を大きく広げるモデル」なのは間違いありません。
ちなみに、18インチタイヤとオプション設定の20インチタイヤの両方を試乗しましたが、乗り心地は車体の突き上げがマイルドな18インチのほうが優れていました。ただし、スタイリングは20インチタイヤのほうが断然カッコいいので、購入時には悩みそうです。
【了】
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。