平成初期は当たり年! みんなが憧れた往年のスポーツカー5選

バブル絶頂の平成初期、国内自動車メーカーは高出力を売りにするクルマを揃え「速いクルマ」は若者たちの憧れの的でした。自主規制値280馬力のクルマもあれば、操縦を楽しむピュアスポーツ車もあった時代です。そこで、平成初期を代表するスポーツカー5車種をピックアップして紹介台を選びました。

「平成」も残りわずか、当時憧れだったスポーツカー

 バブル経済絶頂期だった平成初期、巷には輸入車や高級国産車が溢れていました。

平成初期はスポーツカーが百花繚乱の時代(画像は三菱「GTO」)

 国産自動車メーカー各社は高出力・高性能を売りにするスポーツカーをこぞって販売し、「速いクルマ」は若者たちの憧れの的でした。

 自主規制値だった280馬力の最高出力を発揮するクルマもあれば、直線の速さだけではなく操縦を楽しむためのピュアスポーツもありました。

 そこで、当時の若者たちが憧れたスポーツカー5台をピックアップして紹介します。

●ホンダ「NSX」NA1/2型(1990~2006年)

国産初のスーパーカーだった「NSX」は世界中に影響を与えた

 1990年にデビューしたホンダ「NSX」は、最高出力280馬力(5MT)を発揮する3リッターV型6気筒 DOHC VTECエンジンをリアミッドシップに搭載し、1350kg(MT車)の軽量シャシを俊敏に走らせられる2シーターのピュアスポーツカーです。

「日本で唯一のスーパーカー」として、NSXは3.2リッターV型8気筒エンジンを搭載していたフェラーリ「328」を越える走行性能を目指しました。

 それを実現するため、当時ホンダがエンジンを供給していたF1チームのドライバーだった故アイルトン・セナや中嶋悟らが走行テストに参加したといわれています。

 専用に開発したエンジンと世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディに、サーキットで煮詰められたサスペンションセッティングなどは世界中から高い評価を受けました。

 そのおかげで、当時の国産乗用車では最高額だった800万円(MT車)にも関わらず発売前から注文が殺到し、発売時にはすでに3年分のバックオーダーを抱えていたそうです。

 いち早く乗りたい人はアメリカで販売されていた「アキュラNSX」を逆輸入したほどの人気でした。

 1992年に、サーキット走行を視野に入れた「タイプR」、1995年にはタルガトップタイプの脱着式ルーフを持つ「タイプT」が追加されるなど、複数のバリエーションを展開します。

 1997年には排気量を3.2リッターにアップして、トランスミッションを6MT化。2001年には固定式ヘッドライトへの変更も含むマイナーチェンジを行ない、2006年まで販売されました。

●三菱「GTO」Z16A/15A型(1990~2001年)

見た目も中身も三菱渾身の作だった「GTO」

 1990年に登場した三菱「GTO」は、北米市場を強く意識したGTカーでした。とても日本車とは思えない低くワイドなシルエットとボディラインを持つ3ドアハッチバックは、まさにアメリカンスポーツカーそのものです。

 最高出力280馬力を発揮する3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載したグレードは、スリップロスが少ない4WDを採用。

 大トルクを確実に路面に伝えることができたため、1600kgを超えるヘビー級の車体を物ともせず前へと進めることができました。

 基本的なシャシ構成やレイアウトは同社の「ディアマンテ」と共通でしたが、高性能化に対応するためアルミ製4ポットブレーキキャリパーやゲトラグ社製のトランスミッションなどを採用。

 1992年には50扁平の17インチタイヤとブレーキ強化、1993年には固定式ヘッドライトへの変更とトルク増に6MT化などを行い、その後も細かなマイナーチェンジを繰り返し2001年まで販売されました。

●日産「フェアレディZ」Z32型(1989年~2000年)

走りか見た目か、「スカイラインGT-R」と人気を二分した「フェアレディZ」

 1989年、4代目「フェアレディZ」は「スポーツカーに乗ろうと思う」のキャッチコピーでデビューしました。

 レンズカットなしのカバーの中にセットされたプロジェクターランプや、ワイド&ローなフォルムのボディは、新世代の「フェアレディZ」として高い評価を受けます。

 フロントに収められた最高出力280馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHCツインターボエンジンで約1500kgの車体を加速させ、日本国内のみならず、北米市場でも「300ZX」はポルシェなどの欧州製スポーツカーに負けない高級スポーツカーとして評価されました。

 ちなみに国内の280馬力規制は「フェアレディZ」から始まったとされています。

 歴代「フェアレディZ」と同様に2シーターと2+2の「2by2」のバリエーションを用意していましたが、「2by2」でも3代目「フェアレディZ」までの屋根だけ伸びたようなイメージはなく、美しいシルエットのまま4名乗車を可能にしています。

 同年に復活した「スカイラインGT-R」が全開加速時には「エンジンが回っていく」というイメージだったのに対し、「フェアレディZ」は「後ろから押し出される」印象が強いものでした。

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