マツダ「CX-8」なぜ人気? ミニバンではなく3列シートSUVを作ったマツダの狙いとは
3列シートSUVで、今もっとも売れているのがマツダ「CX-8」です。ミニバンではなくSUVとして多人数乗車を実現した「CX-8」ですが、2018年は3万台以上を販売するほど人気となった理由はどんなところにあるのでしょうか?
デビューから約1年で3万台以上を販売したマツダ「CX-8」
マツダの「CX-8」の販売が好調です。2018年の販売台数は3万679台。デビューが2017年12月ですから、デビューほぼ1年で3万台以上が売れたことになります。
車名別の販売ランキングからSUVを抜き出せば、トップがトヨタ「C-HR」(12位)で、以下にホンダ「ヴェゼル」(14位)、日産「エクストレイル」(20位)、トヨタ「ハリアー」(23位)、マツダ「CX-5」(27位)と来て、29位が「CX-8」となります。
「CX-8」は300万円を超えますから、その価格を考慮すれば大健闘です。実際に、LサイズのSUVという車格で言えばトップ。また、3列シートのSUVとしてもナンバーワンとなっています。
では、なぜ「CX-8」が、それほど人気なのでしょうか。
ボディサイズが大きくなるほど3列シートの人気も上がる
「CX-8」の最大の特徴は、「SUVなのに3列シート=多人数乗車」という部分です。では、ライバルの3列シートのSUVの売れ行きはどうなっているのでしょうか?
まず、車格でズバリのライバルとなるのがホンダ「CR-V」です。ハイブリッドもありますが、3列シートはガソリン車のみということで、価格帯でも「CX-8」のライバルとなります。現行モデルは2018年8月に発売されましたが、新車発売から1か月の販売データを見ると、3列シート車はガソリン車のうち32%。それほど多いというわけではないようです。
次にLサイズSUVの王者といえる存在がトヨタ「ランドクルーザー」でしょう。2018年は「ランドクルーザー」と「ランドクルーザープラド」の2モデル合計で約2万9000台も販売されています。
車名別販売ランキングでは「CX-8」の2つ下の31位です。どちらも現行モデルのデビューが10年も前だというのに、新型車に肉薄する数が売れるというのは、恐ろしいほどの高い人気です。そして、こちらの2モデルの合計販売台数のうち3列シートが占める割合は、なんと64%にもなります。
「ランドクルーザープラド」でいえば、3列シートは2列シートの1.5倍、「ランドクルーザー」でいえば、3列シートが35倍。「ランドクルーザー」で売れているのは、ほとんどが3列シートということ。サイズが大きくなるほどに3列シートの人気が高いというわけです。
ミドルクラスの人気SUVである日産「エクストレイル」には、2列シートと3列シートの両方が用意されています。2018年は車種全体で約5万台が販売されましたが、そのうち3列シート車は、約4000台。割合にすると、わずか8%ほどでした。
また、三菱自動車の「アウトランダー」はガソリン車が3列シートで、PHEVが2列シートになります。シリーズ全体で2018年は約9000台が販売されましたが、3列シートのガソリン車は約25%程度。もちろん、ガソリン車とPHEVという違いはありますが、ミドルクラスになると3列シートの人気は、それほど高いというわけではないようです。