流行りの多人数乗車と対極的な存在 国産2ドアクーペ5選
後席に人が乗る機会が多く、かつ小さなお子さんがいるとなると多くの方がミニバンを買うのが当然の選択でしょう。そうした世の中の流れを受け、淘汰されかけているのが2ドアクーペです。そこで、いまや数少ない国産2ドアクーペのなかから5車種をピックアップして紹介します。
国内では希少な2ドアクーペ5選
小さなお子さんがいる家庭のクルマといえば、スライドドアのミニバンが定番です。スライドドアの使い勝手を経験してしまったら、ほかのクルマには戻れないという人も少なくはありません。
そんなミニバンの対極にあるクルマは2ドアクーペではないでしょうか。かつてはひとつのモデルで、セダン、クーペ、ハッチバック、ワゴンと様々なニーズに応えたボディバリエーションを揃えていました。
いまでは、バリエーションは大幅に整理され、ひとつのモデルではせいぜいセダンとワゴンがあるくらいです。
とくに国産車で2ドアクーペは絶滅危惧種といえます。いま2ドアクーペを買うユーザー層は、お子さんがいない、もしくは子育てが終わった方、複数台数持てる方、走り重視の方といったところでしょう。
なかでも子育てが終わった年配の方の需要を考えると、比較的高額なモデルとなり、若いユーザーでは手が出ずに車種も整理されるという悪循環に陥ってしまっているのが現状です。
そこで、数少ない新車で買える国産2ドアクーペの中から5車種ピックアップして紹介します。
●日産「GT-R」
和製スーパーカーといえる日産「GT-R」も発売からすでに12年経ち、度重なる改良を受け、もはや円熟の域にあるのではないでしょうか。
現行のバリエーションでは大きく分けて5種類あり、もっとも廉価なモデル「GT-R Pure edition」でも1023万840円(消費税込)、最上級モデル「GT-R NISMO」では1870万200円になります。
しかし、「GT-R NISMO」で600馬力のパワーとサーキット走行に耐えうるシャシ性能を持っていることや、条件はあるもののメーカー保証も付帯されることを考慮すれば、じつは安いのかもしれません。
燃費が悪いことは仕方ないとしても、2ペダルのDCTでイージードライブもでき、立派なトランクもあるので普段使いも全く問題ないというのも、和製スーパーカー「GT-R」の特長でしょう。
●スバル「BRZ」
トヨタとの共同開発によって誕生したFRスポーツが、スバル「BRZ」です。ご存知の通りトヨタブランドでは「86(ハチロク)」として販売されているモデルです。
デビューは2012年で、当時は2ドアクーペのFRスポーツが復活するとあって、世界的にも話題となりました。発売から7年が経ちましたが、フルモデルチェンジはなく、改良が続けられています。
エンジンはスバルが開発した2リッター水平対向4気筒で、出力は207馬力(6MT)と一貫して自然吸気にこだわった設定に。
ターボ化のリクエストもあるようですが、やはり自然吸気ならではのアクセルレスポンスと、シャシとのバランス、パワーを使い切って走る楽しさを重視する考え方なのでしょう。
価格はカスタマイズを前提としたベーシックモデル(R Customize Package)で243万円からと、若い方でも十分に手が届く価格帯となっています。
ちなみにリアシートは「+2」なので、標準的な体格の大人だと前席のシート位置にもよりますが、体育座り的な姿勢を強いられ、長時間のドライブは厳しいでしょう。