昔は乗用車も…若者は知らない? トラックメーカー「いすゞ」の名車5選
CMのカースタントが大いに話題となった2代目「ジェミニ」
●ジェミニ イルムシャー
1985年に「街の遊撃手」のキャッチコピーで、パリ市街などでの派手なカースタントシーンを使ったCMで2代目ジェミニは衝撃的なデビューを果たしました。駆動方式は初代のFRからFFに変更され、エンジンもオーソドックスな1.5リッターSOHC、ボディーサイズも1.5リッタークラスの他車と同等にコンパクト化されています。
この2代目ジェミニの発売当初は、先代のFRジェミニも並行して販売されていたために「FFジェミニ」と呼ばれていました。
1986年にライバル車の高出力化に対抗するためインタークーラー付きターボエンジンを搭載した「ジェミニ イルムシャー」が登場します。
前年に登場した「ピアッツア イルムシャー」と同様に、ドイツの「イルムシャー」がサスペンションをチューニングし、レカロ製シートやモモ製ステアリング、エアロパーツと専用のホイールカバーを装備し、当時コンパクトFF 2BOXカーのモディファイで流行していた「ボーイズレーサー」の出で立ちと高い走行性能を誇りました。
1987年には、特別仕様車「イルムシャーRS」を台数限定発売、時計やオーディオ、ホイールキャップなどを省いた競技用ベースグレード「イルムシャーR」も追加設定。1988年には1.6リッターDOHCエンジンを搭載した「ZZハンドリングバイロータス」をラインナップ。
「ピアッツァ」と同様に英・ロータスとの技術提携で生まれたモデルですが、DOHCとは言え1.6リッターNAエンジンでしたので実際のパワフルさは1.5リッターターボのほうが上で、落ち着いた操縦性のラグジュアリスポーツのイメージとなり、「イルムシャー」は高い走行性能を持つコンパクトスポーツの位置づけでした。
1990年にフルモデルチェンジを行い、3代目「ジェミニ」が登場します。2代目よりも拡大したボディに組み合わせたエンジンは、ベーシックな1.5リッターSOHC、スポーティな1.6リッターDOHC、経済的な1.7リッターディーゼルターボ、そしてパワフルな1.6リッターDOHCインタークーラー付きターボ4WD車もラインナップされ、2代目と同様に「イルムシャー」と「ZZハンドリングバイロータス」も存在。
しかし、バブル経済破綻の影響で極度の販売不振に陥り、いすゞは1992年度中期経営計画で乗用車生産から撤退することを決めます。「ジェミニ」の自社生産は1993年に終了し、同年に発売された4代目「ジェミニ」はホンダ「ドマーニ」のOEMモデルになり、1997年に5代目へのフルモデルチェンジを経て2000年には「ジェミニ」の名前も終了しました。
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いすゞが乗用車の生産を終了して26年が過ぎましたが、当時の「クラス最高出力」や独創的なスタイリングや装備など特徴的なクルマが多く存在していたことを思い出す人も多いかもしれません。
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