数日間で同じ店に2回もクルマが衝突 なぜ多発?「踏み間違い事故」 原因と防止策とは
発生は駐車場がダントツ、後付け可能な装置も登場
ペダル踏み間違いの発生場所は、年齢に関係なく駐車場での発生が大半を占めます。駐車位置を探すために場内を徐行し、枠に停めるまでの間に「発進・直進・後退」と複合的な操作の連続が大きな要因です。
ペダルの踏み替い回数増加や細かな速度調整など、運転操作の要素と前述の『慌て、パニック』や『高齢』が重なり合うこととで、駐車場での事故が多くなります。
また、高齢ドライバーでは建物や塀などに衝突する事例が多いです。これは、場内の限られたスペースで運転操作を行なう必要があるため、車両の切り返し操作や加減速調整が『高齢』により、反応しづらくなっていることを示しています。
高齢ドライバーの事故率が高い要因には、着座姿勢(ドライビングポジション)も関係しているといいます。通常の運転時も同様ですが、正しい運転姿勢が重要です。
とくに、駐車時は「発進時」や「直進時」とは違い、「後退時」における運転姿勢の変化が必要になる場合があります。高齢ドライバーは、身体の柔軟性や瞬発力が低下し、この部分でも瞬時のペダル踏み間違いに影響を及ぼします。
また、世の中には「サポカー」対象となっているクルマばかりではありません。すでに街中を走っているクルマに対しての対策はどうなっているのでしょうか。
トヨタは、販売店装着の純正部品として、いま乗っているクルマに取りつけることが可能な『踏み間違い加速抑制システム』を、2018年12月に発売しました。
同社の「プリウス」と「アクア」から販売を開始し、今後は対象車種を拡大するとしています。トヨタは、後付け部品を発売した背景に「事故を未然に防ぐ装備への要望が多く届いていた」と話します。
そのため、今のクルマに長く乗っているユーザー向けに後付けが可能な『踏み間違い加速抑制システム』を提供することで、より多くのユーザーに、安全・安心を届けられるとしています。
高齢ドライバーの増加により、今後も『アクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故』は増え続けると予想され、国や自動車メーカー、さらには運転するユーザー自身があらためてこの問題に取り組む姿勢が重要なのかもしれません。
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