住宅街や通学路で見かける「ゾーン30」 設置増加の背景や実施効果はいかに

最近増えている「ゾーン30」と書かれた道路や看板。なにかの規制ということはイメージできますが、どのようなものなのでしょうか。

「ゾーン30」とはどんな規制?

 最近、街中で見かけるようになった「ゾーン30」と書かれた標識。これは、定められた区域に最高速度30km/hをはじめとするさまざまな規制がかけられたことを示すものです。

 該当する区域が始まる場所には「ゾーン30」と書かれるほか、30という数字の下に「区域ここから」と書かれた標識が立てられ、ドライバーに分かりやすく明示されています。なぜ、「ゾーン30」という表記が増えたのでしょうか。

見かける機会が増えるようになった「ゾーン30」

 この「ゾーン30」という標識は、2011年(平成23年)から整備され、現在では全国各地で目にする機会が多くなっています。

 2015年度末までに、全国で整備した「ゾーン30」(2490か所)において、整備前年度の1年間と整備翌年度の1年間における交通事故発生件数の比較を警察庁が行った結果では、交通事故発生件数は23.5%減、対歩行者・自転車事故(内数)は18.6%減少しているといいます。

 どのような場所が「ゾーン30」に当てはまるかについて、警察庁は『生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を 定めて最高速度30km/hの速度規制を実施しています。

 そのほかの安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制やゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対策です」と説明。

 通常の道路に対する速度規制は、個々の道路(路線)ごとに実施するのが一般的ですが、「ゾーン30」では、区域を定めて速度規制を実施することで、対象区域内の道路に30km/hの速度規制が適用されることとなります。

 また、30km/hが規制速度になる理由については、自動車と歩行者が衝突した場合、自動車の速度が時速30km/hを超えると、歩行者の致死率が急激に上昇するため、生活道路を走行する自動車の速度を30km/h以下に抑制。

 この「ゾーン30」は、交通量や交通事故の発生状況等をもとに、警察が道路管理者や地域の住民と協議・調整して決定。それ以外にも地域の住民からの要望を踏まえて整備の必要性等を検討して決定する場合などが考えられます。

 生活道路が集まった区域に通学路が含まれている場合に、通学路の安全対策上も有効であるともされ、「ゾーン30」を整備することが多いです。

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