車高は下げて当たり前! カスタムの王道「シャコタン」には2タイプ存在
保安基準で設定されている最低地上高には2種類存在
一般的に、最低地上高(前輪と後輪の間で、エアロパーツと足回りに関するパーツを除いた最も低い部分の高さ)は90mm以上あれば良いとされています。
しかし、例外がありアンダーカバーなどをつけて下回りを確実に保護する装備がある場合、最低地上高は50mmでOKなのです。
保安基準とは、自動車そのものの安全性を確保する基準でもあるので、下回りを保護する装備がついているならば最低地上高も50mmまで低くても問題なしと判断されていますが、実際に最低地上高50mmのクルマでは日常の使用でかなり苦労をします。
一方で、最低地上高は90mm以上あれば良いと書きましたが、実は厳密にいうとクルマによっては90mmではなく100mmになる場合もあります。あまり知られていませんが、保安基準をもとに決められる最低地上高は、クルマのサイズ(ホイールベースや前後のオーバーハング長)によって変わり、以下の数式によって最低地上高(ホイールベース間)は決まってきます。
[ 地上高=ホイールベース×1/2×0.04+4 ]
最低地上高について、神奈川運輸支局 整備・保安部門担当者は次のように説明します。
「ホイールベースが長いクルマほど必要な最低地上高が長くなります。一般的にほとんどの乗用車は、ホイールベースが3m未満なので最低地上高は9㎝になります。
しかし、ホイールベースが3m(300㎝)を超える乗用車もベンツなどには存在します。ホイールベースを3mとして数式に当てはめて計算すると最低地上高はちょうど10㎝になります」
また、前後のオーバーハング部分(前輪タイヤから前、後輪タイヤから後ろの部分)についても、最低地上高は90mm以上と定められていますが、ここもオーバーハングの長さによって変わってきます。
このように、「シャコタン」は単純に車高を下げる以外にもさまざまなやり方が存在するのです。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。