昭和から平成そして新時代へ! 魅力そのままに力強くなって復活「ヤマハ セロー250」

昭和から平成、新時代へ引き継がれるヤマハのロイングセラーモデル「セロー250」。乗り易さ扱い易さは、今も昔も変わらない!

変わらない素晴らしさを具現化するセロー250

 まさに期待通り、慣れ親しんだセローそのものです。扱いやすくてフレンドリー、自在に操れ、安心感があります。変わらないって素晴らしいことだと思います。新型「SEROW250」、文句の付けようがありません。

新型「SEROW250」とライディング中の筆者(青木タカオ)

 1985年の誕生以来、幅広い層に支持されベストセラーを続けるセローですが、厳格化した環境規制の影響を受け、2017年9月に惜しまれつつも生産終了となっていました。当然、多くのバイクファンが復活を待ち望み、およそ1年後の2018年8月31日にカムバックしてきたのです。

 3次排出ガス規制に適合させるため「キャニスター」(蒸発ガソリンの外気への排出を低減する洗浄装置)をダウンフレーム左側に装着し、マフラーにO2センサーを追加することで、基本構成の変更なしに復活となりました。もちろん、シンプルでタフなことで定評のある空冷SOHC2バルブエンジンも変更ありません。

ロングセラーモデルたちを蘇らせる謎の装置「キャニスター」とは…!?

 じつは、ヤマハが誇るロングセラーモデルたち、SR400やトリッカーなどもセロー250と同じように17年9月の時点で一旦生産を終了し、やはりキャニスターやO2フィードバック制御のFIを備えることで再び復活しているのです。このキャニスターとは、いったいナニモノなのでしょうか。

燃料蒸発ガス排出抑止装置「チャコールキャニスター」

「チャコールキャニスター」と呼ばれ、ヤマハではこれまでも海外生産車やビジネススクーターなどで採用実績があり、またクルマでは珍しくない燃料蒸発ガス排出抑止装置です。ガソリンは揮発性が高く、燃料タンクから気化するガソリン蒸気(HC=炭化水素)をそのまま大気へ開放しては環境に優しくないので、チャコール=活性炭に吸着させてから新気とともにエンジンに取り込み、積極的に燃焼させるという仕組みです。

 新型セロー250の場合、燃料タンクからホースが伸び、細長いボックス形状のキャニスター本体を経由して再び吸気機構へとホースが伸びています。本体には活性炭が詰められていて、そこを燃料蒸発ガスを通し、エンジンへ戻すのです。キャニスターの吸着剤(活性炭)はガソリン蒸気(HC)を吸着しますが、エンジンのエア吸入時には脱着(パージ)する働きも伴い、ガスは新気とともにエンジンに導かれて燃焼されていきます。

 給油時や走行中、ガソリンが気化することによって環境に悪影響を及ぼす炭化水素(HC)が大気に放出されてしまいますが、活性炭の吸脱能力によってそれを防いでいるのです。ヤマハやバイクファンらにとってはラインナップに欠かせないロングセラーモデルたちを不死鳥の如く蘇らせるのですから、この装置はありがたいとしか言いようがありません。環境規制適合のための、とっておきの切り札といったところでしょうか。

基本フォルムはそのままに、細部をグレードアップ

 パッと見では、従来型と何も変わっていないように見えますが、もちろん進化すべきところはしっかりグレードアップしています。まず気付くのが、テールランプが「XT250X」譲りの2眼式LED式となっていることで、レンズ面積も広く優れた被視認性を確保していることです。

左:新型テールランプ、右:従来型テールランプ

 リアフェンダーもXT250Xのように真っ直ぐ跳ね上がり、ナンバープレートは樹脂製のインナーフェンダーにマウントされています。従来型ではフェンダーがテールエンドで折れ曲がり、コンパクトな四角いテールランプとナンバープレートがダイレクトに取り付けられていましたが、新型ではこれを一新。ナンバープレート装着角度の最新基準に適合させた影響もあるのでしょう。後ろからプレートが見やすくなりました。

 また、これまでエンジンに装着されていたエア・インダクションは撤去され、シリンダーヘッド部に痕跡が残っています。なお、消費税含む車体価格は50万7600円でしたが、56万4840円となりました。

昭和、平成を生き抜いたヤマハ「SEROW(セロー)」の詳細を画像でチェック

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