世界的な電動化の波 日本におけるEV車の充電方法や今後の課題とは

自宅での充電には普通充電がオススメ

 もう1つの方式が普通充電です。これは一般家庭ではあまり馴染みのない200V電源を使うことが多く、設備も比較的安価です。

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日産「リーフ」の充電ポート(左:急速充電ポート・右:普通充電ポート)

 一般家庭向けの普通充電器を販売している日東工業の担当者は、「数十万円程度で十分設置できます。シンプルな設備であれば10万円を切るケースも存在し、一般的な戸建て住宅であれば、住宅の外壁面に電気自動車充電用コンセントを取り付けられます」と話します。

 普通充電にかかる時間は、前出「リーフ」の場合、約16時間(3kW普通充電時)。やはり時間は大幅に伸びますが、当然こちらなら100%まで充電可能です。

 クルマが備えるバッテリーの容量をフルに活かしたいなら、なんらかの形で普通充電設備を使える環境があったほうが良く、料金面でも設備利用料が別段かかることはありません。

 充電代は、普段の電気料金に加算されるため、電気自動車側のタイマー機能を使って、割安な深夜電力で充電する例も多いようです。

 このように、充電時間や充電器の設置性・コストパフォマンスを考慮すると、普通充電設備を設置するのに適した場所は、自ずと決まってきます。たとえば、夜に自宅で普通充電、長距離旅行で立ち寄った道の駅では急速充電、そして目的地の温泉宿では駐車場で普通充電となります。

 今後は、月極駐車場における普通充電設備の普及が課題となっており、マンションやアパートの住人が電気自動車を買した場合、玄関前にクルマを駐車できない以上は最寄りの月極駐車場を借りることになりますが、充電設備がなければ、電気自動車のメリットは半減してしまいます。

 電気自動車の普及に対して、出先などの交通インフラ面では徐々に課題解決に向かっていますが、実際の所有・維持の面では、さらなる対策が必要です。

【了】

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