世界的な電動化の波 日本におけるEV車の充電方法や今後の課題とは
今後、普及が予想される電気自動車ですが、急速充電と普通充電という2種類の充電方法があります。今回は、それぞれのメリットやシチュエーションによる使い分けをご紹介します。
今後の普及が期待される電気自動車
環境意識の高まりやガソリン価格の高騰を背景に、電気自動車(EV)が日増しに注目を集めています。ヨーロッパでは、2025年から2040年頃までにガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出す国も表れています。
日本でも、マツダが2030年までに全販売車種で電動化技術搭載を予定。しかし、ガソリンと電気を併用するハイブリッド車こそ日本では普及していますが、完全に電気のみで走る電気自動車は、まだまだ馴染みが薄いのも事実です。
とくに電気自動車への充電に関しては、どのような方法が存在するかもあまり知られていません。充電方法には、「普通充電」「急速充電」の2種類があります。
一般的に見かけることが多い場面として、高速道路のサービスエリア、自動車ディーラー、道の駅などで電気自動車の充電ができる場合はたいてい、急速充電用の設備が備え付けられています。
「EV QUICK」といった看板が出ているケースも多く、急速充電のスピードは国産電気自動車の代表格である日産「リーフ」の場合、『約40分でバッテリー容量の80%』とされています。
ただし、急速に充電できるのはバッテリー容量が80%から90%程度に回復するまでで、それ以上から100%になる間は相対的に充電速度が遅くなります。これは、充電時間効率や安全性などの観点から設けられた制限だとされ、急速充電器側の設定によっては80%で充電が一旦終了するケースも存在。
また、急速充電の設備は非常に高額です。経済産業省が公表している一般ユーザー向け資料などによると、設備だけで100万円以上で、工事費は別です。
設備そのものも大きく、変圧器などの付帯設備を用意する必要、そのため現時点では公共性の高い場所での設置が中心となり、街中に設定されている急速充電設備の多くは原則有料となり、「1分○○円」といった従量課金を軸に、さらに月会費制などを併用する例が多くなっています。