走りはBMW魂、思想はトヨタ シンプルを追求した新型「スープラ」の凄さとは
トヨタを代表するスポーツカー「スープラ」。その新型モデルとなる「スープラ(A90)」のプロトタイプモデルを試乗する機会を得ました。ジャーナリストの木下隆之氏がその走りの特性を紹介します。
トヨタ「スープラ」とBMW「Z4」は二卵性双生児?
トヨタの新型「スープラ(プロトタイプ)」をドライブする機会を得ました。開発プロジェクトが始まったのが2012年。ジュネーブショーで発表されたのが今年の3月、約6年という開発期間をかけて開発された、世界が期待するスポーツカーが新型「スープラ」なのです。
そんな「スープラ」ですが、とっても特異なスタイルで開発されたことをご存知でしょうか。「スープラ」は、トヨタのヘリテージを凝縮させたモデルではありますが、BMWとの共同開発なのです。開発陣がBMWに赴き、あるいは日本に招待し、かなり密接に開発が進められたことに疑いありません。
トヨタが2012年に発売したスポーツカー「86」は、トヨタとスバルで共同開発したモデルです。トヨタはダイハツとコラボしたモデルも少なくありません。それは資本関係で結ばれた会社のため、それほど不自然ではないです。
しかし、BMWとの共同開発となるとじつに興味深いです。そのために、さまざまな部分でBMWとの共用が確認できます。クルマの骨格であるプラットフォームや肝心要のエンジン、あるいはそのエンジンと連結されるトランスミッションはBMW開発だそうです。
トランスミッションはドイツのZF製。ということは、電子制御デファレンシャルもZF製だと想像できます。走りに関する部分はBMWの影響力が強いようなのです。
したがって、パーツを共有するBMW 新型「Z4」とは兄弟車となり、顔やスタイルは異なることから二卵性双生児という関係といえるのかもしれません。