なぜ「スカイラインGT-R」純正品、続々と再生産? 新車メーカーが絶版車に取り組む背景とは
日産はニスモを通じて「R33型/R34型 スカイラインGT-R」の純正部品を再生産、再販売すると発表しました。2017年からこの取り組みは行なわれていますが、今回、対象車種が拡大されることに。新車メーカーが絶版車の部品再販に取り組む背景には、どういったことがあるのでしょうか。
絶版車の純正部品は年を追うごとに入手困難な状況に
1989年に発売された「R32型 スカイラインGT-R」は、現在も中古車価格が高騰していますが、これはアメリカなど海外へ流出しているのが原因のひとつといわれています。それに引きずられるように、後継モデルの「R33型/R34型 スカイラインGT-R」も価格が高騰して、いまや1000万円オーバーも珍しくない状況です。
1980年代から1990年代の絶版車の高騰は「スカイライン」に限った話ではありません。ホンダ「NSX」やトヨタ「スープラ」、ポルシェ「911」なども程度がよいと軒並み新車価格以上で売られています。
モノの値段は需要と供給で決まります。ここまで高騰しても買うユーザーがいて、価値が認められているクルマであるということです。
そんななか、日産は2018年11月29日に、「スカイラインGT-R」用「ニスモヘリテージパーツ」をR32型に加え、R33型、R34型にも拡大し、発売すると発表しました。
この「ニスモヘリテージパーツ」とは、純正部品のことで、すでに生産が終わった純正部品を再生産、再販売するということです。なお、部品の販売はニスモからとなっています。
通常、フルモデルチェンジして従来型の生産が終了しても、部品は引き続き販売されます。しかし、生産終了後10年もすると需要のない部品は製造が廃止され、残った在庫のみを販売し、在庫がなくなるとほとんどはそのまま欠品という状態になり、もう買うことはできません。とくに外装部品や内装部品は欠品になるのが早い場合が多いです。
「スカイラインGT-R」も同様で、最終型の「R34型 スカイラインGT-R」は2002年に生産が終了となり、部品も欠品が多くなっていました。
そこで、2017年に日産/ニスモ/オーテックジャパンの3社が共同で、まず「R32型 スカイラインGT-R」の部品を再生産することになりました。