なぜ「スカイラインGT-R」純正品、続々と再生産? 新車メーカーが絶版車に取り組む背景とは
ホンダ、マツダ、ポルシェが再生産した部品を供給中
ホンダは2017年に軽自動車「ビート」の補修用部品を再生産、再販売しました。それに先立って、純正オプションだったオーディオを、Bluetoothなどが使えるように新規に開発して2011年に発売しています。
また、マツダも2017年に初代「NA型ロードスター」のレストア(再生)サービスを始め、加えてハンドルやシフトノブ、フロアマット、ソフトトップ、そのほか補修用部品を復刻して販売を開始しました。
さらに、マツダはブリヂストンと共同して、「NA型ロードスター」発売当時の純正タイヤ「SF-325」を復刻して発売するなど、これまでにない取り組みとなっています。
海外メーカーでは、元々日本よりも純正部品の入手性は良好なメーカーが多かったものの、近年はだいぶ厳しい状況に変わってしまいました。そんななかポルシェが「ポルシェクラシック」というプロジェクトを立ち上げ、純正部品を再販しています。
顧客からのリクエストを受け、欠品だった部品が再生産された例もあります。
とくに興味深いのが、オイルやショックアブソーバーなどを現在の技術で作り直し、当時の性能以上のものを供給している点です。
ほかにも空冷911の純正オーディオのスペースにそのまま取り付けができる、カーナビゲーションシステムなども販売しています。
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こうした取り組みに共通している点は、対象が長く愛されているクルマだということです。現存の割合がほかのクルマよりも高く、性能的に現代でも十分通用するモデルばかりです。
もっと古い40年、50年以上も前のクルマですと、さすがに普段遣いするのは厳しく、レストアや部品製作などは、これまでに紹介したものとは違うマーケットが存在します。
日本では車齢が13年を超える古いクルマの税金を上げ、環境負荷に対して懲罰的な税制になっています。一方で自動車メーカーは古いクルマの維持をバックアップしています。
日本において自動車産業は国を支える産業のひとつで、自動車生産大国ですが、旧車やクラシックカーをクルマ文化としてとらえるか、国とメーカーの考え方にまだまだ乖離があるようです。
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