メルセデス・ベンツ新型Cクラス 堅実に進化を続ける主力モデル 新たなパワートレイン搭載の「C200」はどんな走りを実現?
スタートからの加速は文句なし、電動モーター導入でスムースな発進が可能に
目に見えない要素として最大の注目は、今までにないBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)という機構を取り入れた新たなパワーユニットを搭載したC200の登場です。まず基軸となる動力源は、1.5リットルのターボエンジン+従来通りの9速ATです。搭載されるターボは、低回転から力強い加速を生み、高速道路や山道などで自在の速度コントロール性を生むツインスクロールターボを採用しています。
低回転から力強いツインスクロールターボと言っても、信号待ちなど停止状態からの走り出しは、有効回転以下なので、素の排気量で加速せざるを得なく、そこでモタつき感などを得やすいです。それを解消するべく、動き出しとともに最大の加速力を発揮できる素性を持つ電動モーターを使い、よりストレスのない加速と速度コントロール性を得るという狙いです。
その本質は、300V以上の高電圧を使うプリウスなどのハイブリッドなどとは異なり、48Vという低電圧システムを使っていることに価値があります。少し掘り下げると、欧州モデルで主流になりつつある「通称:48Vシステム」と呼ばれているモノで、アクセルを踏んだ瞬間の出足や、スタート時などターボが働くまでの間だけ電動モーターを動かして加速を手助けするマイルドハイブリッド方式です。
もちろん48Vなので、電動モーターを動かせる領域は狭く、スタートなどの瞬間的な利用しかできません。しかし、その効果は大きく、1550kgの軽い車両重量も関係しますが、不思議なほどスムーズかつ軽快に停止状態から走り出します。しかも電動モーターが働いている感覚は一切無いので、自然で違和感のないエンジンドライブが楽しめるのです。
デメリットは、低回転では電動モーターの力強い最大トルク160Nm(排気量1.5リッター級の自然吸気エンジンの加速力に相当)を使い力強く加速しますが、その力は中回転までは続かず、その出足の良さから想像するほど中・高回転での伸びや力強さが感じない事です。もちろんエンジン事態でも、最大出力184ps、最大トルク280Nmを発揮するので十分に走りますが、電動モーターの支援を受けて加速していた低速の感覚からすると、“感覚”として高回転が力細く感じてしまうのです。