都心を抜け出し大自然がオフィスに! キャンピングカー活用で実現する働き方改革とは
働き方改革が叫ばれる昨今、オフィス空間の改革にクルマがひと役買っている場面もあるようです。日本で広まりつつあるオフィス空間としてクルマを活用する取り組みについて取材しました。
キャンピングトレーラーを移動式オフィスに活用
政府が進める働き方改革の影響で、多くの企業で副業やテレワークの解禁、労働時間の見直しなどが行なわれています。今後、柔軟な働き方を認める企業が増えると、今まで当たり前とされてきた通勤や勤務のあり方が変わるかもしれません。
その中で、クルマをオフィス空間として活用する動きも出てきています。最近では、大阪府にある大和リースが「移動現場事務所」としてトヨタの「ハイエース」や日産「NV200バネット」「NV350キャラバン」を車内で事務処理ができるように改造した車両を発表しました。
同様な取り組みで、移動式オフィスとしてキャンピングトレーラーを活用するプロジェクトもあります。今回、同プロジェクトを進めている「カンターキャラバンジャパン」の事業責任者を務める並木渉さんにお話を聞きました。
──カンターキャラバンとはどのような取り組みですか。
カンターキャラバンはもともと、自然と共存したライフスタイルを求めてオランダで立ち上がった環境団体のプロジェクトです。オランダでは、首都アムステルダムを中心に、都心近郊の森や草原にヴィンテージキャンピングトレーラーを改装したモバイルオフィスを点在させ、「自然の中ではたらく」という価値観を提唱しています。
カンターキャラバンジャパンでは、オランダでの取り組みをベースに「はたらくに余白を」をコンセプトとして展開しています。
──通常の勤務空間と比べて、自然の中で働くことの魅力を教えてください。
自然の中で働くことは環境保護的な意味合いを超えて、働く人の心に良い影響を与えると考えています。利用者によってリラックスの度合いはさまざまですが、所属している企業や家族、またそれ以外のあらゆるコミュニティでの振る舞いや、そこでのルールから開放されるという点に魅力を感じてもらっています。
普段無意識に感じ、凝り固まっているワークスタイルから解き放たれ、精神的に余裕を持ってもらうことができます。
──キャンピングトレーラーをオフィスとして活用することの良さはなんでしょうか。
キャンピングトレーラーは「動かせる不動産」だと考えています。アウトドアに普段から親しんでいない方にとって、自然の中はリラックスできる環境であると同時に、少しのことで不安や恐怖を感じる場所でもあります。
その点で、キャンピングトレーラーはテントよりも雨風などに強く、ある程度の安全性を確保できるので、安心して仕事や生活をすることができると思っています。
また、通常のオフィスとは異なり「動かせる」という点で、気分や季節に合わせたオフィス空間を作ることができます。
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これから働き方改革が進み、働くことに対する考え方が変化するにつれて、クルマが移動手段を超えたオフィス空間や生活の拠点として利用されるようになるかもしれません。
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