レクサス 新型「ES」を評価厳しい日本でも自信あるから初導入 はたしてその出来栄えは
新型ESで注目のデジタルアウターミラー、老眼には厳しい?
インテリアなどの趣味も人によって大きく異なるでしょう。気に入れば良いと思います。私が気になったのはセンターコンソール側面の硬質樹脂。試乗車は早くも擦り傷がついており(シートベルト着脱時に時計の文字盤でひっかいた?)、安っぽく見えました。加えてデジタルアウターミラーの室内モニターが美的センスからすればあり得ない位置です。
デジタルアウターミラーですが、私のような“ロウガンズ”だと最初からあり得ないです。というのも、後方カメラの画像を表示するのは50cmの距離にあるスマホサイズより一回り大きいだけの液晶画面だからです。老眼鏡が無ければスマホも読めない人ですと、前方を見た直後の焦点が合いません。50歳代以上の人は老眼が進行した時に、これは厳しいかもしれません。
ジジイの意見だけですと不公平なので、老眼鏡で矯正して改めてチェックしてみました。すると4つの課題を発見。
1)画像出るレスポンスが実際よりワンテンポ遅れる。
2)画像の解像度は普通のミラーより明確に劣る。
3)LEDヘッドライトのクルマが後ろにいるとチカチカする。
4)夕方に乗って試すと、逆光に極めて弱い。
以上、現状のデジタルアウターミラーは、若い人でも厳しいのではないだろうか。
逆に評価出来る点は、後方死角がないこと。カメラ性能や画像処理速度が上がればかなり実用的になると思います。2018年時点では21万6千円も出して使い勝手の悪い装備を選ぶことも無いというのが素直な感想です。
もし知人や友人に「デジタルアウターミラー、どうよ?」と聞かれたら瞬時も迷わず「考え直した方がいいよ」とアドバイスするでしょう。デジタルインナーミラーも私的にはパスです。
以上。レクサス新型ESのカッコ良さが気に入り、価格も問題ないと思う人なら、ぜひ購入検討してもよいクルマだと思います。感性の鋭い人なら、多少乗り心地が硬くなりますが素直に走ってくれる「Fスポーツ」グレードをオススメします。その場合は、ブラインドスポットモニターをオプションで付けることを強く勧めます。なぜ安全確保に効果ある装備を落とすのかが理解出来ません。そのあたり、私のレクサス不信の一つになっています。
【了】
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。