GT-Rや軽まで… 右ハン禁止の北米でなぜか「右ハンドルの日本車」が人気急上昇のワケとは

アメリカやカナダなどの北米において、日本車が大人気であることは良く知られています。しかし、これらの日本車は北米市場向けに作られた左ハンドル車です。ところが「右ハンドルの日本車」が人気急上昇というのです。

北米で「右ハンドル日本車」が大人気、右ハンドル車の登録・走行は原則禁止なのに

 アメリカやカナダなどの北米において、日本車が大人気であることは良く知られるところです。セダン系では日本でもおなじみのトヨタ「カムリ」「カローラ」、ホンダ「アコード」「シビック」など、日本車が常時販売台数ベスト5にランクインしています。また、SUVも同じくトヨタ「RAV4」、ホンダ「CR-V」や日産「ローグ」などが常に上位を占めています。

日産 スカイラインGT-R(R32)

 しかし、これらの日本車はアメリカ市場向けに作られた左ハンドル車で、多くは米国内のメーカー工場で生産されています。乗っているユーザーの中にも「日本車に乗っている!」という強い意識を持つことなく乗っているケースも少なくありません。

 それに対して、日本でしかも日本のユーザー向けに生産された右ハンドルの日本車が、なぜか大人気というのです。北米では右ハンドル車の登録・走行は原則禁止です。それでも「右ハンドルの日本車」が人気急上昇するのは、なぜなのでしょうか。

 日本は左側通行の国ですが、左ハンドルの輸入車も日本車と同様に登録も使用も可能です。しかし、アメリカやカナダなどの北米では原則として一般ユーザー向けの車においては、右ハンドルの車は登録できません。にもかかわらず、近年は北米において右ハンドルの日本車人気が高まっているようです。

 筆者(加藤久美子)もラスベガスにあるSEMA2018の会場やその周辺で、かなりの台数を見かけましたし、昨年より増えている印象です。右ハンドル車の走行は法律で禁止されているのになぜ、一部の日本車は右ハンドルのままで走行しているのでしょうか。

 実はユニークな決まりによるものです。北米では製造から15/25年過ぎた車は右ハンドルでも登録可能となり、普通にナンバーを付けて公道を走ることができます。古い車への優遇措置の一つといえるかもしれません。

右ハンドル車がOKとなるだけではない、米国の25年ルール

 このルールは、右ハンドル車だけを対象にしたものではなく、たとえば左ハンドルの車で、古くてシートベルトがないようなクラシックカーでも、製造から25年以上経過していればアメリカ国内での登録がOKとなります。アメリカの保安基準や車両に関する規制でこれまではダメだったものが、25年を経ることで解禁になると思ってもらえばよいでしょう。右ハンドルであることもそのうちの一つです。

 しかし、アメリカには日本と違って、国が定める25年ルール以外にも規制があり、州によっては排ガスの規制を課すところもあります。25年ルールで認可されているものであっても、州の規制に適合しないと登録や使用はできないという、アメリカらしい規則が優先されています。

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