新車149万円! めちゃ安いのに「ちゃんと外車です!」 全長3.5m“軽自動車並み”ボディに5速MT搭載! 「国産コンパクトカー」と並ぶ“高コスパドイツ車”VW「アップ」が凄かった
かつてドイツのフォルクスワーゲンが販売していた「up!(アップ)」は、「輸入車は高い」というネガティブなイメージを払拭する格安なコンパクトカーでした。どのようなモデルだったのか、振り返ります。
輸入車は高い? いやいやいや、そんなことはありません!
同じ車格のクルマでも、国産車とは明らかに異なるデザインや乗り味が魅力の輸入車。なかでもドイツ車は、一部で制限速度が設けられていない高速道路である「アウトバーン」があることで、高速度でも安定し、ボディもガッチリとしたクルマづくりがなされているという評価が多くなっています。
ただ、輸入車は同クラスの国産車に比べて価格が高いという点がネックとなり、なかなか手が出せないという意見も多いのが現状です。
そうしたなか、なんと新車価格が150万円を切るモデルがフォルクスワーゲンから販売されていたのです。それが2012年10月に日本で販売を開始した「up!(アップ)」です。
フォルクスワーゲンといえば、5ドアハッチバック「ゴルフ」が世界中のメーカーから同クラスのモデルのベンチマークとされるほど高い評価を集めているのが有名なところですが、アップは当時のフォルクスワーゲンの中では最小のボディを持つエントリーモデルとなっていました。
ボディサイズは全長3545mm×全幅1650mm×全高1495mmと軽自動車よりもひと回りほど大きい程度のサイズで、日本では小型車枠(5ナンバー)に入るほどのコンパクトなもの。
搭載されるエンジンは直列3気筒の1リッターガソリンとシンプルな構成となっており、燃費性能は23.1km/L(当時のカタログ値)と低燃費な点も魅力です。
トランスミッションは、アジア向けモデルでしばしば設定されているような、5速MTをベースにクラッチ操作を自動化した「ASG」が搭載されており、安価に製造が可能であったほか、AT限定免許でもMT車のようなダイレクトな走り味が楽しめるようになっていました。
とはいえ、実際に乗ると変速ショックなどで、ややクセのある点で賛否が別れる部分もありました。

ボディ形状は3ドアハッチバックと5ドアハッチバックの2種類が用意されています。
消費税込みで149万円のプライスタグが付けられたエントリーグレードの「move up!」は3ドア仕様で、リアウインドウは固定式になるなど低価格を実現するための割り切りも見られました。
その一方で、横滑り防止機能のESPやフロントサイドエアバッグ、衝突被害軽減ブレーキの「シティエマージェンシーブレーキ」などの安全装備は2012年の時点で全車標準装備としており、ドイツ車メーカーの安全思想の違いを見せつける形ともなっていたのでした。
そのほか、最上級モデル「high up!」でも183万円と、国産コンパクトカーとほぼ同じような価格帯でラインナップされていました。
そんなアップはカタログモデルのほか、さまざまな特別仕様車や限定車をリリースしており、2015年8月にはクロスオーバースタイルをまとった「cross up!」が登場し、2018年6月には1リッターのTSIエンジンと6速MTを組み合わせたホットモデル「up! GTI」など、ゴルフや「ポロ」など、他のフォルクスワーゲンモデルでおなじみの仕様も存在していました。
モデルライフの途中で原材料の高騰や輸送費アップなどもあり、何度か価格上昇もあったアップでしたが、最終型でもエントリー価格を167万3000円に抑えており、2021年まで販売が続けられた隠れたロングセラーモデルでもあったのです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
































