レベル5の大雨で車に乗るのは「命の危険」も! いざという時にドライバーを守る“水害時の正しい行動と注意点”とは

2026年8月中旬に発生した千葉豪雨を受け、内閣府や気象庁をはじめとする5つの機関が合同で、大雨特別警報発表時における正しい行動とクルマの運転の注意点をまとめたチラシを公開しました。いざという時に命を守るため、事前の備えと正しい知識、そして危険な状況下でどのような行動をとるべきかについて説明します。

わずかな浸水が車に及ぼす致命的な影響

 2026年8月13日夕方から14日にかけて発生した千葉豪雨(令和8年8月千葉豪雨)は、各地に大きな爪痕を残しました。こうした水害による被害を少しでも軽減するため、内閣府、警察庁、消防庁、国土交通省、気象庁の5機関は合同で啓発活動を開始。

 2026年8月26日、内閣府の防災担当ホームページにて「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」および「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」に関するチラシが公開されました。この取り組みは、広く周知を図ることで水害時の被害を軽減することを目的としています。

 8月27日朝には、線状降水帯の相次ぐ発生により、石川県の羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町、富山県の氷見市にレベル5大雨特別警報が発表されています。

 気象庁は、「これまでに経験したことのないような大雨となっています。特に浸水想定区域などでは、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高く、警戒レベル5に相当します。命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況です」とし、強く警戒を呼びかけています。

 また、「今後、レベル5大雨特別警報を発表する市町村が増える可能性があります。特別警報が発表されてから避難するのでは手遅れとなります。自分の命、大切な人の命を守るため、特別警報の発表を待つことなく、地元市町村からすでに発令されている避難情報に直ちに従い身の安全を確保してください」としています

わずか30cm程度の浸水でも走行不能になる可能性がある(Photo:時事通信フォト/ 京成松戸線のアンダーパスが冠水し、水没した車=14日、千葉県鎌ケ谷市)
わずか30cm程度の浸水でも走行不能になる可能性がある(Photo:時事通信フォト/ 京成松戸線のアンダーパスが冠水し、水没した車=14日、千葉県鎌ケ谷市)

 警戒レベル5にあたる大雨特別警報が発表された段階では、すでに安全な避難が難しく、命に危険が及んでいる状況を意味します。この段階に達してしまった場合は、むやみに外へ移動することは避け、今いる場所よりも少しでも安全な場所へ移動し、身の安全を確保することが最優先となります。

 とくに、浸水した場所での車両による移動は極めて危険です。水没によって立ち往生するおそれがあるため、状況が落ち着くまで安全な場所で待機する必要があります。

 また、河川や用水路はもちろんのこと、冠水した箇所には絶対に近づいてはいけません。短時間で水が溜まりやすい地下施設やアンダーパス、低地はとくに浸水する危険があります。本来であれば、市町村が発令する警戒レベル4の避難指示の段階までに、必ず避難を完了させておくことが重要です。

 クルマを運転する上でとくに注意しなければならないのは、車両はわずか30cm程度の浸水でも走行不能になる可能性があるという点です。浸水が床面を超えると、電気装置が損傷し、パワーウインドウや自動スライドドアが作動しなくなるおそれがあります。

 さらに水かさが増し、ドアの下端に水がかかると、車外の水圧によって内側からドアを開けることが困難になります。ドアの高さの半分を超えてしまうと、内側からほぼ開けられなくなってしまいます。

 また、クルマの吸気口やマフラーから水が入り込むとエンジンが停止し、再始動できなくなるおそれがあります。水流がある場合は車両ごと流される危険性があり、タイヤが完全に水没すると車体が浮き上がってしまい、移動が困難になります。冠水した道路への進入は、まさに命に関わる危険な行為といえます。

 万が一、ドアが開かなくなってしまった場合に備え、脱出用ハンマーをすぐに使える位置に常備しておくことが推奨されています。ただし、合わせガラスは脱出用ハンマーでも割れないため、どの窓が割れるのかを事前に確認しておくなど注意が必要です。

 大雨が予想される際は、特別警報が発表される前段階からテレビやラジオ、インターネットなどを通じて最新の気象情報や避難情報を確認し、ハザードマップなどでご自身のいる場所の浸水リスクを把握しておく必要があります。浸水が懸念される状況ではクルマでの移動を控え、徒歩による早めの避難を心がけることが大切です。

 やむを得ずクルマを使用する場合でも、冠水した道路は確実に避けるルートを選択し、安全を最優先とした行動をとることが求められます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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