新「“水平対向”スポーツカー」発表! 大排気量NAエンジン&6速MT搭載! 特別なグリーン&金色ホイールもイイ! ポルシェ「911 GT3ヤーレ ニュルブルクリンク」独国仕様とは
ポルシェが、ドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」開場100年に捧げる限定車「911 GT3 100ヤーレ ニュルブルクリンク」を発表しました。ドイツ市場向けにわずか100台の記念モデルとは、どのような1台なのでしょうか。
100台だけの“水平対向”スポーツカー
ポルシェは2026年8月14日(現地時間)、ドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」開場100年を記念した特別仕様車「911 GT3 100ヤーレ ニュルブルクリンク(911 GT3 100 Jahre Nurburgring)」をドイツで発表しました。
車名の「100 Jahre」はドイツ語で“100年”の意味です。ドイツ市場向けに100台が設定される記念モデルで、2026年8月15日から16日にニュルブルクリンクで開催された「ポルシェ ジクスト カレラカップ ドイツ」で一般初公開されました。
ニュルブルクリンクが100周年を迎えるのは2027年。ポルシェは数十年にわたりこのコースで戦績と記録を積み上げ、同時に市販車開発のテストの場としても使い続けてきました。今回の記念車は、その経緯を内外装の細部で表現した1台です。
ポルシェ ドイツのCEOロベルト・アダー氏は「どのポルシェにもニュルブルクリンクが少し入っている」とし、特にこのエディションにはそれが色濃いと語っています。
コースの開場は1927年6月18日。改修と短縮を重ねた現在も、73のコーナーと急な上り下り、約300mの高低差という個性は変わりません。全長20.8kmのアスファルトは、標高800mに達するアイフェル地方の山あいを縫って延びています。

ポルシェとの縁は古く、1953年5月31日のレース「アイフェルレンネン」に「550スパイダー」で初参戦。同年8月2日には、のちに“フールマンエンジン”と呼ばれるタイプ547を初めてこの地に持ち込みました。1967年には「910」で1000kmレース初勝利を飾っています。
記録面でも、1983年にシュテファン・ベロフが「956」の予選で6分11秒13をマークし、2018年にはティモ・ベルンハルトの「919ハイブリッドエボ」が5分19秒546を刻みました。
ボディカラーはホワイトとGTシルバーメタリックの2色。前者はスポンサーロゴを入れる前のレーシングカーを、後者はポルシェのカップカーをイメージしたものです。
象徴となるのがフロントセクションとリアパネルのグリーンのフィルムで、保護フィルムを兼ねています。かつてワークスチームがレース中に自車を見分けるため色分けした手法にならったものです。
なお“グリーンヘル(緑の地獄)”は、ニュルブルクリンク・北コース(ノルドシュライフェ)にジャッキー・スチュワート卿が付けた呼び名として知られています。
ドアミラーはベースがボディ同色、上下のカバーがグリーン。サーキットで前後にねじ込む牽引用ラグもグリーンで、レース規則に沿った白い矢印が装着位置を示します。
フェンダーにはヒストリックなニュルブルクリンクのロゴ、ボンネットとドア、リアウインドウには0から999まで自由に選べるゼッケンが入ります。書体はノルドシュライフェの落書きに着想を得た手書き風で、スタイル ポルシェとエクスクルーシブ マニュファクトゥーアが専用に描き起こしました。
フロントウインドウ上部のサンストリップは、低い太陽のまぶしさを抑える機能装備でありながら、ゴールドのポルシェレターを添えたモータースポーツの記号でもあります。
20インチ/21インチの鍛造アルミホイールはハイグロスのカリフォルニアゴールド、センターロックはサテンブラックでGT3ロゴ入りです。Bピラーには「GT3 100 Jahre Nurburgring」の文字とコース図を、同じくカリフォルニアゴールドで描いたプレートを装着します。
リアウイングは翼端板をグリーンとしてゴールドのニュルブルクリンクエンブレムを配し、ウイング下面にもゴールドのポルシェレターが入ります。
インテリアにも“緑の地獄”をイメージしたグリーンのアクセントが随所に採り入れられています。ブラックアルマイト仕上げのドアシルには「Welcome to the Green Hell」の文字が入り、ドアを開けると白く点灯。LEDのドアプロジェクターがコースの輪郭を足元に映し出します。
室内はブラックのレザーとレース テックス(Race-Tex)で仕立てられ、ダッシュボードとドア上面の飾りステッチは黒3列+GTシルバー1列。これはニュルブルクリンクの縁石をモチーフにしたディテールです。
リアロールケージはグリーン塗装で、2脚の軽量スポーツバケットシートのうち、グリーンのアクセントは運転席側のみに採用されます。中央部とサイドサポートのグラデーション状パンチングからグリーンの下地が覗きます。
ヘッドレストは運転席側にニュルブルクリンクロゴ、助手席側にGT3の刺しゅう入りで、いずれもヘルメット使用時の快適性に配慮して取り外し可能です。
GTステアリングのモードスイッチには「Grune Holle(ドイツ語で“緑の地獄”)」の文字が入り、プッシュトゥパスボタンもグリーン。ダッシュボードの加飾パネルもグリーンのハイグロス仕上げとされています。
パワートレインは、ベースとなる「911 GT3」と同じく4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載します。最高出力は510馬力、最大トルクは450Nmを発揮し、最高回転数は9000rpmに達する高回転型ユニットです。駆動方式はRR(リアエンジン・後輪駆動)となります。
トランスミッションは7速PDKと6速MTから選択可能で、ギア表示はグリーン。MT車のシフトノブは「911 カレラT」と同じクルミ材製です。
車体色に合わせた「マンタイキット」もオプション設定されます。改良型サスペンションと最適化されたブレーキ、大がかりなエアロパッケージにより、285km/hで540kgのダウンフォースを発生します。現DTM王者アイハンジャン・ギュヴェン選手は、この仕様でニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを6分50秒853で周回しました。
購入者には「ゾンダーヴンシュ マンタイ エクスペリエンス」も用意されます。マンタイはニュルブルクリンクに隣接するポルシェGTモデルの専門集団で、30年の歴史を持ち、2013年からはポルシェAGが株式の過半数を保有しています。
さらに購入者限定で、ポルシェデザインが「クロノグラフ 1」の専用モデルを設定。黒くコーティングしたチタンケースにCOSC認定のWERK 01.140を収め、ローターはホイールと同じ意匠、マットブラックの文字盤にはヒストリックなニュルブルクリンクロゴが入ります。
ストラップはクルマのシートと同じ穴あき加工を施したポルシェ内装用レザー製で、裏地はグリーンの生地、ステッチはGTシルバー。スイス・グレンヘンの自社工房でハンドメイドされます。
受注は2026年9月から開始され、納車は100周年にあたる2027年の予定です。価格は公表されていません。
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100周年を迎えるニュルブルクリンクと、数十年にわたるポルシェとの深い関係を、グリーンのアクセントやゼッケン、縁石モチーフのステッチで描いた100 Jahre Nurburgring。ドイツ市場向け100台のみという希少な1台は、記念年の2027年にオーナーのもとへ届けられます。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

















