車体サイズが時代に合致? ハイエースのユーザーも認めるホンダ「N-VAN」の魅力とは
ホンダの「N-VAN」は、様々な使い方が提案されています。フルサイズのバイクを積載可能(一部バイクを除く)で、キッチンカーにもなり、キャンプも手軽に行けます。遊び心満載のN-VANについて、デザイナーに話を聞きました。
話題のホンダ「N-VAN」のデザイナーに聞いた
ホンダの新型軽バン「N-VAN」は、日常的に使われることはもちろん、移動販売用の店舗やバイクのトランスポーター、車中泊など様々な用途が想定されています。そんな万能モデルの開発エピソードをデザイン担当者に聞いてみました。
「埼玉県の朝霞市にホンダの2輪R&Dがあるんですけどね。当然バイク好きが集まっている職場ですから、サーキットやオフロードコースへ行くためにトランスポーターを所有している人も珍しくなく、その多くがトヨタのハイエースです。ところが、N-VANを見せるとほぼ例外なく“コッチに買い換えたい”と言ってくれたんですよ」
そう語るのは本田技術研究所の4輪R&Dに籍を置き、N-VANのデザインを担当した主任研究員・山口真生氏です。それを聞いた筆者(伊丹孝裕)は、おそらく疑いに満ちた眼差しを向けていたに違いありません。なぜなら2輪の仕事にたずさわっているとバイクをトランスポーターに積み込むことは日常であり、他ではそう簡単に代えの効かないハイエースの使い勝手のよさをよく知っているからです。
「いや、ホントなんですよ。もちろん車体サイズが異なるため絶対的な積載量はかないませんが、みなさんに協力してもらって空間検証をしたところ、N-VANにはCBR1000RRやCRF450Rを筆頭にかなりのモデルが積載可能でした。で、その時にいろいろと聞いて分かったのが、実はハイエースの大きさがアダになるケースも少なくないということだったんです」と話す山口氏。
これは一体どういうことかというと、一般的に趣味のスポーツ走行なら積載する荷物はそれほど多くなく、子どもがいる家庭でもある程度成長するとサーキットに一緒に行く機会はグンと減るのが現実。だとするとN-VANで充分コト足りるケースがほとんどだからです。反対に、ハイエースだとそのサイズがネックになって奥さんが運転を嫌がったり、税金や燃費にまつわる維持費の問題もあってメリットばかりとも言えないというわけです。