燃費「リッター111キロ」走れる! 究極の「2ドアスポーツカー」が凄い! 2気筒ターボエンジン搭載で“市販化”した「超・低燃費」実現クーペ! “究極のエコカー”目指し本気で作ったVW「XL1」独国仕様とは!
かつてドイツのフォルクスワーゲンが販売した究極のエコカー「XL1」とは、どのようなモデルだったのでしょうか。
燃費「リッター111キロ」走れる! 究極の「2ドアスポーツカー」が凄い!
「わずか1リットルの燃料で、100kmもの長い距離を走り切ることができる究極のエコカーをつくる」。
そんな、途方もない燃費目標を本気で目指し、なんと公道を走る市販モデルとして実際に販売されたクルマが存在します。
その伝説的なモデルこそが、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が長年にわたる研究開発の結晶として世に送り出した2シータークーペ「XL1」です。
単なるモーターショー向けの展示車両で終わらせるのではなく、実際に欧州のナンバープレートを取得して販売したという事実こそが、このクルマを自動車の歴史に名を残す名作へと押し上げました。
XL1の開発スタートは2000年代初頭にまで遡ります。
「1Lカー(1リットルで100km走るクルマ)」という絶対的な開発目標をクリアするために、VWの技術者たちがまず取り組んだのが、クルマの走行を妨げる二大要素である「車体の重量」と「空気抵抗」を徹底的に削ぎ落とすことでした。
車体の骨格には、当時の高級スポーツカーやレーシングカーでの採用が中心だった、極めて軽量なカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を採用。
車両全体の重さを795kgという驚異的な軽さへと抑え込むことに成功したのです。
また、見る者の目を奪う独特すぎるスタイリングも、すべては空気の壁をスムーズに切り裂くための科学的なデザインでした。

ボディサイズは全長3888mm×全幅1665mm×全高1153mmと、全高をスーパーカー並みに低く設定。
後輪のタイヤをスパッツ(カバー)で完全に覆い隠し、ボディの最後部に向けてティアドロップ(涙滴)のように鋭く絞り込んでいくフォルムを追求しています。
さらに、空気抵抗の原因になりやすい左右のドアミラーすら取り払い、当時の市販車としては極めて珍しい小型カメラによるサイドビューモニターシステムを採用しました。
こうして徹底的に空力を鍛え上げた結果、空気抵抗係数を表す「Cd値」は当時の市販車としては異次元の0.189という数値を記録したのです。
ドアを開けて乗り込む動作すらも、このクルマならではの特別な作法となっていました。
ドアは斜め前方に大きく跳ね上がる「ガルウィング」タイプを採用しており、コンパクトでスポーティなコックピットへの乗降性も考慮されています。
車内のシートレイアウトは、空力重視の狭いキャビン内でも大人2人が快適に過ごせるよう、助手席側を運転席側から少しだけ後方へとずらして配置する工夫が施されました。
もちろん、この極限のボディを引っ張る心臓部にも驚きのメカニズムが組み込まれています。
車体の後ろ側に搭載されたのは、排気量800ccの直列2気筒ターボディーゼルエンジンに電気モーターを組み合わせた、先進のプラグインハイブリッドシステムです。
トランスミッションには素早い変速を誇る7速の「DSG(デュアルクラッチ・トランスミッション)」が組み合わされ、電気のみで最大50kmほどの走行が可能なEV領域と、クリーンディーゼルの高い熱効率を見事に調和させました。
こうして完成した市販仕様のXL1は、欧州の基準で「1リットルあたり111km(0.9リットル/100km)」という、当初の目標をさらに上回る低燃費を記録して世界に衝撃を与えたのです。
車両価格は11万1000ユーロ。これは当時の為替レート換算で1500万円を超えるハイエンドな設定であり、生産台数も世界でわずか250台という限定車となりましたが、VWが技術の粋を集めて本気で作った“極限の低燃費車”の解答として、愛好家たちの憧れの対象となりました。
※ ※ ※
このように、環境と技術を極限まで突き詰め、「1リットルで100km走る」という夢の約束を現実に変えてみせた傑作と言えるXL1。
効率や電動化が重視される今の時代において、かつてなくストイックで情熱に満ちた挑戦を成し遂げたVWのスピリットは、今も色褪せない輝きと強烈なロマンを放ち続けています。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。





















