ガソリン高騰で大型SUVに逆風も? 不利な燃費性能でも意外に変わる燃費改善方法とは
タイヤやホイールも大きいと燃費は厳しい
さて大型のSUVの場合は、装着されているタイヤ&ホイールサイズも大径です。モデルによっては、扁平率が低い20インチサイズのものを付けているSUVもあります。SUVのタイヤを持ってみると分かりますが、明らかに16インチくらいの乗用車のタイヤと比較すると、「重い」と感じるはずです。
できるだけ軽いホイールをチョイスし、転がり抵抗の少ないエコタイヤを装着するというのは、確実に燃費にいい影響を与えますが、非常に高価なのがネックです。現在履いているタイヤで何とか改善できないものかということであれば、空気圧を高めにするしかありません。
タイヤには指定の適正空気圧がありますが、許容空気圧というのは上も下も、幅が持たせてあります。特にSUVのタイヤは重い車重を支えるために乗用車用よりも頑丈に作られていますので、空気圧は3kgf/平方センチメートル近くまで入れることが可能です。
空気圧を高めにすれば、当然ながら転がり抵抗が減少し、それが燃費改善に繋がります。日本自動車タイヤ協会(JATMA)が試算したデータによると、タイヤの転がり抵抗を20%減らすと、燃費は約2%改善(寄与率10%の場合)できるとのこと。満タンで1万円のガソリン価格だとしたら、200円も節約できるわけですから、リッター2円引きよりもオトクということになります。
空気圧は、膨張率の関係で季節、気温によっても異なってきます。どれくらいエアを入れたらいいかは、自動車ディーラーに確認するのがいいでしょう。
ちなみにSUVのタイヤの場合、走行シーンに合わせて様々なタイプがありますが、ほとんど未舗装路を走らない、冬はスタッドレスタイヤに替える…ということであれば、「ハイウェイテレーン(H/T)」タイプが最も燃費がいいと言えるでしょう。
ハイブリッド車などのエコカーを見れば分かりますが、低燃費のカギとなるのは各部の「高効率化」です。エンジンはさることながら、各駆動系などの部材や構造なども十分に吟味され、高効率化を実現しています。
SUVの場合、その多くのパワートレーンが4WDというのがスタンダードです。ご存じの通り、4輪を駆動させる4WDは駆動力の伝達経路を考えてもパワーロスの多いメカニズムになっています。