トヨタの「“2人乗り”スポーツカー」! まさかの「MTとAT」“切り替え”可能!? 「タテ目」×オープントップ採用の「GR HV スポーツ」どんなクルマ?
トヨタが2017年に発表した「GR HVスポーツコンセプト」。あの「86」をベースに、レーシングマシンの技術を注入したコンセプトカーは、今なお話題となる一台です。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
GR HVS!
過去を振り返ると、自動車メーカーはモーターショーなどの場で、市販を前提としないコンセプトカーを発表することがあります。それらは、未来のデザインの方向性を示したり、新しい技術を提案したりと、私たちのクルマへの夢をかき立ててくれる存在です。
2017年10月に開催された「第45回東京モーターショー2017」で、トヨタが世界初公開した「GR HVスポーツコンセプト(GR HV SPORTS concept)」も、そんな記憶に残る一台に数えられます。
このクルマのコンセプトは、「スポーツカーと環境技術を融合した新たなクルマの楽しさ」の提案です。当時、トヨタが新たに立ち上げたばかりのスポーツカーブランド「GR」の理念を体現するモデルとして開発されました。
最大の特徴は、トヨタが世界耐久選手権(WEC)で戦うレーシングマシン「TS050 ハイブリッド(TS050 HYBRID)」のハイブリッド技術「THS-R(TOYOTA Hybrid System-Racing)」を搭載していた点にあります。目指したのは、ピュアスポーツカーとしての走りと、環境性能の高次元での両立でした。
エクステリアは、ベースとなった「86」の面影を残しつつも、レーシングマシンのエッセンスが凝縮されています。
力強さを感じさせるマットブラックのボディには、TS050ハイブリッドをイメージさせる縦型3連のLEDヘッドランプを採用。リアディフューザーもTS050のデザインモチーフで仕上げられ、トヨタのモータースポーツ活動とのつながりを強く表現しています。
さらにファンの心を掴んだのが、ルーフ中央を取り外すことができる”エアロトップ”スタイルの採用です。これは往年の名車「トヨタスポーツ800(ヨタハチ)」や「スープラ」にも設定された伝統的な装備であり、オープンエアの開放感を楽しめる演出でした。
インテリアでは、センタークラスターにはATのギアポジションスイッチをレーシーに配置。エンジンのスタートスイッチは、開閉式のシフトノブ内に設置されており、まるで戦闘機のミサイル発射ボタンのような高揚感をドライバーに与えるデザインとなっていました。
ボディサイズは全長4395mm×全幅1805mm×全高1280mmで、乗車定員は2名。駆動方式はFR(後輪駆動)を採用しています。

重量物である駆動用バッテリーを車両中央付近に搭載することで、スポーツカーにとって重要な重量配分を最適化し、高い運動性能を実現する設計がなされていました。
このクルマの最も注目すべき技術が、”Hパターンシフト”を採用したことです。
GR HVスポーツコンセプトはAT車でありながら、ボタンひとつでMTモードへの切り替えが可能でした。まるで6速MT車のようにHパターンでシフトレバーを操作する変速機能が搭載されていたのです。
これは「電動化時代でも操る楽しさを残す」というトヨタの強い想いを形にしたもので、クラッチペダルなしでMTのようなダイレクトな操作感を楽しめるという、当時としては極めて革新的なシステムでした。
パワートレインにはTHS-Rを搭載していますが、具体的なエンジン排気量やシステム出力については公式には明らかにされていませんでした。あくまで”レーシングハイブリッド技術の可能性を探る試験的なモデル”としての位置づけが強かったことがうかがえます。
当時の反響は大きく、モーターショー会場では「次期86か?」「スープラの弟分か?」といった市販化を期待する声が多く聞かれました。
しかし残念ながら、今現在、GR HVスポーツコンセプト自体は市販化されていません。また、続報もない状態です。
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Hパターンシフトの”電動車でも操る楽しさを追求する”という技術思想は、現在トヨタが開発を進めているHEV・BEV用MTなどの次世代技術として市販車にも搭載されるのではないかと期待が持てます。今後のトヨタ「GR」の動向から目が離せません。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。
























