約42年越しのトンネル開通! 歩行者ヒヤリの「激狭地区」をサクッとショートカット! 「崖の上のポニョ」舞台地の名所「鞆の浦」に「鞆未来トンネル」 開通1年の効果を発表 広島
広島県は2026年6月18日、開通から1年が経過した県道47号鞆松永線「鞆未来トンネル」で実施した交通量調査のレポートを公開しました。
市街地の混雑緩和で「鞆の浦」の安全性向上
広島県は2026年6月18日、2025年3月30日に開通した県道47号鞆松永線「鞆未来トンネル」で実施した交通量調査のレポートを公開しました。
開通から1年が経過して、周辺の道路ではどのような変化がもたらされたのでしょうか。
県道47号鞆松永線は、瀬戸内海に面した福山市の鞆町鞆から今津町4丁目にかけて敷設された一般県道です。福山市南部にある沼隈半島の西側半周を巡ります。
鞆町は海岸景勝地として有名で、仙酔島を望む「鞆の浦」の風景は、2007年に「美しい日本の歴史的風土100選」に選ばれたほか、映画「崖の上のポニョ」のモデルとなった地としても知られており、昔ながらの港町の風景を求めて多くの観光客が訪れています。
一方、中心地は狭い路地が多く、日常的に交通混雑が発生しており、地元住民や観光客などの歩行者にとっても危険な状況が続いていました。そのため中心地を通過する交通を転換し、交通量を抑制するための新たな交通ネットワークの構築が求められました。

そこで鞆未来トンネルは、鞆町の中心地を回避するように山中を掘削して設けられたショートカット路のバイパス区間として、中心地の交通混雑を緩和することを目的に整備されました。
1983年(昭和58年)の計画策定当初は海側に橋を架ける計画が持ち上がったものの、景勝地であることから地元住民の強い反対などを受けて計画を変更。現在の鞆未来トンネルを設ける方針にシフトしました。
そうした紆余曲折を経て、鞆未来トンネルが2022年に着工。2025年3月30日に計画策定から42年越しとなる延長2.1kmの新トンネル開通を迎えました。
広島県は開通後の整備効果を確認するべく、開通から1年後の2026年3月26日・29日に交通量調査を実施しました。
レポートの詳細を見ると、鞆未来トンネルの交通量は1日あたり最大4700台にのぼりました。
「伝統的建造物群保存地区」となっている中心部の西町の交通量は、開通前で1日あたり2700台でしたが、開通後は900台に減少しています。
また、江之浦(旧鞆町七ヶ町)~焚場(焚場跡)にかけての交通量は、開通前で1日あたり3600台でしたが、開通後は1200台にまで減少しており、どちらも67%の交通量減少となりました。
朝のピークタイム(7時~8時)だけの交通量を見ると、365台が利用していた西町は85%減少の55台、453台が利用していた江之浦~焚場にかけては90%減少の46台という結果になり、通過交通が鞆未来トンネルに転換され、中心地の交通混雑の緩和に大きな役割を果たしていることが分かります。
一方で、鞆未来トンネル南側に位置する鞆松永線の交通量は、開通後に1日あたり1800台増の4700台となっており、鞆未来トンネル北側に位置する福山鞆線の交通量は、開通後に1日あたり1000台増の1万300台となっており、鞆町周辺の交通量は開通以前よりも大幅に増加しています。
交通量が増えたなか、トンネル開通によって市街地では全体的に交通量が大幅に減少しており、これまで狭く入り組んだ路地に分散していた交通のほとんどが集約されたことが分かります。
交通の流れが変わったことで、中心地の道路は混雑が大幅に緩和されており、地域住民や観光客などの歩行者にとっても安心して利用できるようになったと言えるでしょう。
なお、鞆町周辺の交通ネットワークの改良について、広島県は「町なかの交通処理対策である道路拡幅や、観光交通の流入抑制に資する交通・交流拠点などの整備を進めていく」と、今後も周辺の道路の改良を続けていく方針です。
Writer: 春山優花里
フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。


















