新型「“車中泊”ミニバン」発表! アルファードより“ちょっと大きい”全長5.1m級サイズ! 顔面刷新&停車時も快適な“エアコン”採用の新たなVW「カリフォルニア」英国で登場

フォルクスワーゲン商用車部門の英国法人が、大幅改良を施した人気のキャンピングカー新型「カリフォルニア」を発表しました。先進的なインテリアや実用的なスライドドアも備える”車中泊ミニバン”は、どのような進化を遂げたのでしょうか。

8時間冷暖房のPHEVも設定された新型ミニバンとは

 フォルクスワーゲン商用車部門(VWCV)の英国法人は2026年6月11日(現地時間)、車中泊も楽しめる人気のMPV(日本でいうミニバン)「カリフォルニア」の大幅改良モデルを発表しました。

 新しいフロントエンドや一新したコックピット、最新の運転支援システムを採用し、人気モデルにさらに磨きがかけられています。

 カリフォルニアは、フォルクスワーゲンを象徴する「ワーゲンバス」の流れをくむモデルで、長年にわたりカルト的な人気を誇ってきました。

 今回の発表では、ベースとなる車両に2種類のボディサイズが用意され、カリフォルニアはそのロング版をベースにすると説明されています。また、日常からレジャーまで高い実用性を発揮するスライドドアもしっかりと備わっています。

 ボディサイズは全長5173mm×全幅1941mm×全高1990mm、ホイールベースは3124mmです。日本で展開されている最高級ミニバンのレクサス「LM」が全長5125mm×全幅1890mm×全高1955mm、ホイールベース3000mm。

 また、トヨタ「アルファード」が全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm、ホイールベース3000mmであることを考えると、国内最高峰のミニバンと同等以上のスケール感を持っていることが分かります。

 今回の改良では、エクステリアからインテリア、安全装備に至るまで、幅広い範囲に手が加えられています。

 パワートレインは、PHEV(プラグインハイブリッド)+4WDの「eHybrid 4MOTION」が注目のグレードです。2025年に導入されたばかりのこのPHEVは、システム出力180kW(245ps)を発揮し、19.7kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載します。

 また、前輪駆動モデルとして110kW(150ps)の2リッターTDIディーゼルと、150kW(204ps)の2リッターTSIガソリンも設定されます。

左右のヘッドライトをつなぐ水平の光のラインが先進的な雰囲気を演出
左右のヘッドライトをつなぐ水平の光のラインが先進的な雰囲気を演出

 まずエクステリアでは、ボンネット下のフロントエンドが刷新されました。LEDヘッドライトはより大型化され、独特の“VWバス顔”をさらに際立たせています。

 上部のデイタイムランニングライトはより際立つ造形となり、ロービームとハイビームのLEDモジュールを眉毛のように横切るデザインが採用されました。

 さらにヘッドライトの技術面も刷新され、照射効率や明るさ、直進時・コーナリング時の照射幅も改善されたと説明されています。

 上級仕様では、左右のヘッドライトをガラスカバーの水平ストリップでつなぎ、この部分も点灯することで、ライトシグネチャーをより印象的にしています。

 ヘッドライト下のフロントバンパーも一新され、エンジンやエアコン用の吸気口を空力的に最適化されたバンパー下部へ統合。すっきりとした面構成でワイド感を強調しています。

 ボディカラーやホイールも見直され、17/18/19インチのアルミホイールのうち5種類が再設計されました。ベースホイールは新しい17インチスチールホイールとなり、16インチホイールは設定されなくなっています。

 また、新たな2トーンカラーとして「キャンディホワイト/グレーブラウンメタリック」が用意されるほか、カリフォルニアでは初めてマット塗装の「インジウムグレーマット」も選べるようになります。

 いっぽうインテリアでは、大きな進化が図られました。ダッシュパネルが新設計となり、新たな質感の表面と装飾ステッチを採用することで、上質感を高めています。

 コックピットの中核を担うのが、最新のインフォテインメントシステムです。新しい12.9インチ(対角32.8cm)のインフォテインメントシステムとデジタルコックピットを採用し、BEV(バッテリー式電気自動車)の「ID.Buzz」との橋渡し役を果たします。

 デジタルコックピットは素早く切り替えられる3つの「ビュー」を備え、インフォテインメントの画面は新しいメニュー構造とグラフィックを採用しています。インフォテインメント下部には、オーディオとエアコン操作用の発光式タッチスライダーを備えます。

 ID.Buzzと同様に、ATの操作はステアリングコラム右側のスイッチで直感的に行えるようになり、全車に反応が素早いデュアルクラッチシステムのDSGトランスミッションを搭載します。

 センターコンソールも再構成され、電動スライドドア(オプション)やパーキングブレーキをボタンで操作。ワイヤレス充電パッドは従来の5Wから25Wへ、USB-Cポートは1ポートあたり45Wから60Wへとそれぞれ強化されました。前席に加え、後席にもUSB-Cポートを標準で備えます。

 さらに、すべてのカリフォルニアにおいて、助手席側のグラブハンドルが新たに設けられ、乗り降りがいっそう快適になっています。

 安全装備の面では、信号認識機能や高速道路でのアシスト付き車線変更機能を備えた「トラベルアシスト」を採用し、快適性と安全性を高めています。信号認識は今回初めて組み込まれました。

 エマージェンシーアシストも、従来同様トラベルアシストに統合されています。ドライバーが体調を崩した場合、システムの制御範囲内で車両を段階的にハードショルダーまたは最外側車線へ誘導し、停止させる機能です。

 快適装備としては、オプションのAGRエルゴコンフォートシートとの組み合わせで、助手席にもメモリー機能とマッサージ機能が用意されます。

 また、eHybrid 4MOTIONでは、停車中でも最大8時間連続で作動できる電動の停車時エアコンを備えます。

 このシステムにより、充電中や駐車中、キャンプ時に車内を電動で冷房・換気・暖房できると説明されています。さらに連続運転対応の補助ヒーターも引き続き設定され、「オーシャン」では標準装備、その他の仕様ではオプションとなります。

 カリフォルニアは、「カリフォルニア ビーチ」「カリフォルニア コースト」、上級仕様の「カリフォルニア オーシャン」を基本に展開されます。

 加えて、特に魅力的な装備内容を備えた特別仕様車「カリフォルニア ジェネレーション」も新たに用意されます。この特別仕様車には、専用の2トーン塗装「キャンディホワイト/サンセットレッドメタリック」がオプション設定されます。

 なお、今回の発表では、英国でのカリフォルニアの価格や具体的な発売時期は明らかにされていません。

※ ※ ※

 フロントフェイスの刷新から最新の12.9インチインフォテインメント、信号認識対応のトラベルアシスト、eHybrid 4MOTIONの電動停車時エアコンまで、日常走行と車中泊レジャーの両面で進化した新しいカリフォルニア。日本への導入があるかどうかも含め、今後の動向が注目されます。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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