埼玉〜山梨「最短ルート」一部が27年度に開通へ! すごい落石で「作りかけ状態」でもポテンシャル発揮! 関東西側“110km縦断する”国道140号 西関東連絡道路の「大滝トンネル」とは
埼玉県と山梨県の最短ルートとなる「西関東連絡道路」で整備中の「大滝トンネル」が2027年度に開通予定です。どのようなトンネルで、開通してどう便利になるのでしょうか。
災害で効果絶大だった秩父の「ガッタガタトンネル」 開通までもう少し
埼玉県と山梨県を結ぶ最短ルートとして整備中の「西関東連絡道路」のトンネル「大滝トンネル」が2027年度に開通予定です。
どのようなトンネルで、開通してどう便利になるのでしょうか。
国道140号は埼玉県熊谷市から南西に進んで、寄居や秩父を経由して山梨県に入り、山梨市、笛吹市、甲府市を通って富士川町に向かう道路です。国立公園である「秩父多摩甲斐国立公園」を縦断するルートをたどります。途中、関越や中央道、中部横断道と接続します。
長らくは埼玉県と山梨県の県境は不通でしたが、1998年に県境をまたぐ有料トンネル「雁坂トンネル」が開通し、晴れて埼玉〜山梨が結ばれました。
この雁坂トンネルの開通を皮切りに、ほぼ全線が高規格道路「西関東連絡道路」として延長110kmのバイパスを整備する計画が進行しています。
もともと同県をまたぐルートは140号以外になく、山梨を通り過ぎて長野から国道299号経由にするか、国道411号で東京都の奥多摩か青梅経由に戻るという超・大迂回を取るしかないため、需要も高くなっています。
また、沿線には秩父や三峰といった観光地に加え、物流にとっても有益な道路となっていることから、大型車の交通量も多く、西関東エリアのタテ軸という大役を担っています。

このうち大滝トンネルは、三峯神社と秩父鉄道線 三峰口駅のちょうど中間地点ほど、旧大滝村にある約2kmのトンネルです。2018年度から事業化され、2019年から着工しています。
ちょうどこの区間の現道は狭い峠道で、南側に大きく迂回する経路となっており、約7.2kmの道のりです。ここを迂回ゼロでまっすぐ突き抜けるのが大滝トンネルです。
2024年3月に貫通を迎え、その後は内部のコンクリート覆工も12月末に作業が完了しており、残るは舗装など、最終的にクルマを通行させる仕上げ段階というところまで来ています。
そうしたなか2025年7月11日、現道の峠道で2m級の岩塊が落ちてくるという大規模な落石が発生。道路や舗装、道路擁壁が損傷し、通行止めが実施されました。
埼玉県はこれを受け、とりあえず貫通が済んでいる大滝トンネルを暫定的に通行させる異例の措置を同月30日から開始。
道は未舗装で砂利道のガタガタ、歩行者や二輪車は通れず、15km/h以下の最徐行が必要でしたが、ネットワークの仮復旧が図れたことで、正式開通前にも関わらず、大滝トンネルのポテンシャルが早速発揮された形です。
落石があった現道は9月12日から13日にかけ、7月と全く同じポイントで落石が発生。2026年1月27日まで大滝トンネルの暫定通行が継続されました。
すでに暫定通行は解除され、落石のあった現場は復旧工事が実施されたことで、再び大滝トンネルは通行止めとなり、最終仕上げの作業が行われているところです。
2025年度の事業再評価では、大滝トンネルの進捗は約79%となっており、2026年度では残るトンネル内の舗装工事や設備工事、法面工事を推進する予定となっています。
この再評価時も「災害発生に伴う本路線の暫定供用により事業の必要性、重要性が改めて認識」と、トンネルの有用性が改めて示されています。
開通予定は正式な日程は不明なものの、事業期間内に完了できる見込みとしており、2027年度(遅くとも2028年3月)までに開通する予定となっています。
暫定通行が行われていた2026年1月初頭時点では、先出の通り砂利道で舗装はされておらず、照明や消火設備などの設置もされていませんでした。また、暫定通行を行ったことで、舗装前にもう一度しっかり路面を整える必要もあり、もう少々は時間がかかりそうです。
とはいえ晴れて開通を果たせば、難所をスルーでき、しかも災害にも強いルートが確保され、寄居方面から三峰神社の方面にも行きやすくなります。
ゆくゆくは西関東連絡道路で整備中の「長尾根バイパス」なども完成すれば、埼玉〜山梨を直結する、走りやすい高規格道路が誕生します。大滝トンネルと合わせ、こちらのスムーズな進捗にも期待です。
Writer: くるまのニュース編集部
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