「棒ギア&前後ドア」装備の“激レア車両”が「現役引退」! 首都圏で“ほぼ絶滅” 気がつけば「30年選手」の大ベテランに 現存数“激減”の日野「ブルーリボン」JR関東バスで運用終了

ジェイアールバス関東 白河支店に所属するバス車両が引退しました。全国的に希少になりつつある車両です。

棒ギア&リーフサス&前後扉の「大ベテラン」が引退

 2026年6月15日、ジェイアールバス関東 白河支店(福島県白河市)に所属する路線バス車両 日野「ブルーリボン」の「M527-97305」号車が引退しました。
 
 この車両は、全国的に非常に希少になっていた車両でした。

 日野「ブルーリボン」は1982年から販売している大型バスシリーズです。2015年からは全車がいすゞの大型バス「エルガ」と共通設計となっていますが、それ以前は日野が自社で製造していました。

 丸みを帯びたボディに前面の行先表示機が突き出た形を特徴としており、運転士の疲労軽減のためにいち早くエアー式のシフト操作「FFシフト」を採用。「ツー・カツー」というシフトチェンジ音とともに、軽い操作でシフトチェンジが可能となっています。

 2000年には、「平成11年排気ガス規制」に適合させるとともに、ウインカーと2灯ライトをガーニッシュ内におさめたスタイリッシュなフロントデザインを採用した大幅マイナーチェンジモデル「ブルーリボンシティ」が登場。ハイブリッドモデルの設定などを経て、2015年まで販売されていました。

 ジェイアールバス関東のM527-97305号車(福島200か19-75・以下、305号車)は、マイナーチェンジしたブルーリボンシティではなく、「平成6年排気ガス規制」に対応したブルーリボンの最終タイプとなります。1997年式で、型式は「KC-HT2MMCA」です。

絶滅寸前の「ブルーリボン」JR関東バス 白河支店から引退
絶滅寸前の「ブルーリボン」JR関東バス 白河支店から引退

 この車両は1997年8月に当時の江戸崎営業所(茨城県)に配置され、その後は土浦支店(同)に所属したあと、白河営業所で活躍。かつての鉄道廃線跡地を利用した路線「白棚線(はくほうせん)」の運用を経て、近年は企業送迎などに使われていました。

 中尺のボディですが、路線バスとしてメジャーな「前・中扉」ではなく「前・後扉」という構造で、車内は1人がけのシートを基本としたもので、高い収容力を誇ります。

 同車のシャシは当時他社のブルーリボンで採用されていたエアサスではなく、耐久性の高いリーフスプリング(板バネ)を採用。また当時普及が始まった乗り降りしやすい低床のノンステップではなく、ツーステップの高床構造を基本としています。

 さらに、ブルーリボンの特徴であるFFシフトを採用せず、長いシフトノブが備わる昔ながらのロッドシフト式(棒ギア)のトランスミッションを選択しており、「ツー・カツー」という特徴的なシフトチェンジ音がしないのも特徴となっています。

 ブルーリボン自体は全国のバス事業者に大量導入され、1997年式のブルーリボンも当時は全く珍しいものではありませんでしたが、日々の運用による経年劣化や年々強まる排気ガス規制などの影響で、多くの事業者ですでに引退。

 車両の更新サイクルが早い東京周辺の事業者では、2010年代初頭を最後にほぼ全てが廃車か地方のバス事業者に譲渡されています。

 最終型でも30年近くを迎えることから劣化が激しく、譲渡先の地方でも2020年代に入って急速に数を減らしており、「絶滅危惧」になっている状態です。

 またジェイアールバス関東 白河支店としても最古参の車両になっており、ジェイアールバス関東全体で見ても、前後扉の車両はこの305号車が最後の1両となっていました。そうしたこともあって、305号車はバスマニアの間で非常に有名な車両となっていました。

 今回、305号車は前日(6月14日)に開催されたイベント「第5回白棚線バス専用道運転体験会」での運用を最後に引退しました。

 引退の理由について、白河支店の担当者はこのように話します。

「パーツもすでになく、修理が難しくなってきたので廃車にすることとしました。車検がイベントの3日後に切れる(満了を迎える)ので、それに合わせた形です」。

 イベント当日は、白棚線の運転体験車両の1台として運用され、参加者は貴重なブルーリボンのハンドルを握り、現在は使われていない白棚線のバス専用道を走ることができました。

 現代では珍しい棒ギアとリーフスプリング、厳しい排気ガス規制前の力強いエンジンという昔ながらのバス車両ということもあり、全国から大型免許を保有するマニアが集結し、ブルーリボンの最後の活躍を見届けています。

 イベント終了後の送迎にも使われ、解散場所であるJR新白河駅の到着をもって、バスとしての活躍を正式に終了しました。

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Writer: くるまのニュース編集部

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