まるで高機能な道具 メルセデス・ベンツ「C220dステーションワゴン」は気持ちいいエンジンを搭載
Eクラスにも採用しているディーゼルターボエンジンを搭載
本題のエンジンですが、静かで滑らかで力があって、頼もしいエンジンという印象。ほとんどこれが印象のすべてですが、もう少しだけ詳しくレポートします。
エンジンは、軽油を使う2リッターのディーゼルターボエンジンで、最高出力と最大トルクは194ps/400Nmを発揮します。EクラスやCLSに導入されている最新のクリーンエンジンディーゼルエンジンで、効率性、環境性、快適性などを追求しています。マイナーチェンジ前は、2.2リッターのディーゼルターボでこちらは179ps/400Nmを発揮していましたが、これとは別物になっています。
興味深いのは、シリンダーブロックにアルミを使い、ピストンにスチールを使っているところです。熱膨張率が違うので一般的にはあまり使われないのですが、メルセデス・ベンツによると排気ガスなど大気中に排出される大気汚染物質(以下:エミッション)にも効率がいいのだそうです。
メルセデス・ベンツのアルミ製ピストンは、ピストン冠面(天井)から第1ピストンリングまでの距離が長く燃焼に使えない空気量が多いので、ピストンリングまでの距離が短いスチール製のほうが吸入空気を効率よく使えるという説があります。また強度的にも、アルミ製よりもスチ-ル製のほうが肉厚を薄く小さく軽く作ることができたようです。
エミッションの点でも、PM(粒子状物質)を集めるためのDPE(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)やSCRコーティング(尿素を使った排ガス浄化装置)を使いNOxを低減。また、ディーゼル酸化触媒を排気系のエンジン直近に配置するなど、さまざまな工夫を凝らしたクリーンディーゼルとなっています。
いずれにしてもこのディーゼルエンジンは、かなり意欲的に効率を考えて作られたユニークなエンジンと言えそうです。