ハイエースやSクラスは平場のコインパーキングでもNG? 車両寸法、地上高…実はシビアな駐車の条件

エアロパーツ装着車は要注意

 平場の駐車場における利用可能な車両の基準について、これまで2500か所以上の駐車場を設計したアイテック(東京都文京区)の高階正至さんに聞きました。

――平場の駐車場で、なぜこれほど細かく基準が定められているのでしょうか?

 駐車場には、さまざまな種類があり、一概にはいえませんが駐車場内のスペース的な条件のほか、車両を認識するセンサーが感知しないケースを想定して、全長や最高地上高などの基準が設けられることがあります。

 たとえば、車両高の制限は、照明などの設置物に当たるケースがあるためです。車両長が長いクルマについてはスペース的な制約ですが、短いクルマもNGというのは、駐車マス入口側の舗装下に車両を読み取るセンサーが埋め込まれていることがあり、それが車両を認識しないケースがあるのです。

――地上高の基準についてはどうでしょうか?

 フラップ板を跳ね上げて、車両の下に当ててロックするロック板式(フラップ式)駐車場では、地上高が高すぎるクルマは板が車両に届かない場合があるほか、前出のセンサーが車両を認識できないことも考えられます。ロック板などから光や超音波を上方に照射し、それがさえぎられることで車両を感知するタイプでは、地上高が高すぎても感知されないケースがあるのです。

――エアロパーツ装着車が制限されるケースがあるのはなぜでしょうか?

 ロック板で、特にサイドスカートなどのエアロパーツを壊してしまう恐れがあるのです。社外品で地上高を低くしたものだけでなく、たとえばミニバンなど、新車の1グレードとしてメーカーが付けている標準のエアロパーツも壊してしまい、トラブルになるケースがあります。

 ある運営会社では、「ロック板でクルマを破損しても補償しかねる」旨をすべてのロック板に掲示していたこともありました。

ロック板作動中のイメージ。跳ね上がる板の長さが短いものもあれば、長いものもある

――重量の制限については、ロック板を破損させないためでしょうか?

 これは、ロック板などの装置の破損というより、アスファルトがへこんでしまい、車止めの高さが変わってくる恐れなどがあるためです。

ロック板のない「ロックレス」駐車場の仕組みを画像で見る

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