埼玉〜山梨「最短直結」! 関東西側“110km縦断”する「西関東連絡道路」とは? 「国立公園」をタテにまたぐ「走りやすいルート」は将来「東名直結」も 最新の工事はどうなっている?

埼玉県から山梨県にかけて、国道140号バイパス「西関東連絡道路」の整備が進んでいます。どのような計画で、開通したらどう便利になるのでしょうか。

埼玉〜山梨「最短直結110km」の計画

 埼玉県から山梨県にかけ、「秩父多摩甲斐国立公園」を縦断する国道140号ですが、全線に渡って高規格道路のバイパス「西関東連絡道路」が整備されています。
 
 どのような道路で、開通したらどう便利になるのでしょうか。

 国道140号は埼玉県熊谷市から南西に進み、寄居や秩父を経由し、国立公園である「秩父多摩甲斐国立公園」を縦断する形で山梨県に入り、山梨市、笛吹市、甲府市を通って富士川町に向かう道路です。

 途中、深谷で関越道 花園ICと、甲府で中央道 甲府南IC、終点富士川で中部横断道 増穂ICと接続します。

 長らくは埼玉県と山梨県の県境は不通でしたが、1998年に県境をまたぐ有料トンネル「雁坂トンネル」が開通し、晴れて埼玉〜山梨が結ばれました。

 同県をまたぐルートはこの140号以外になく、同じ方向に行くとなると、国道20号で北杜市まで出て、国道141号と長野の国道299号経由にするか、国道411号で奥多摩・青梅に戻るという超・大迂回を取るしかないため、西関東エリアのタテ軸として重要な道路となっています。

 また、沿線には秩父や三峰といった観光地もあり、物流にとっても有益な道路となっていることから、大型車の交通量もあります。

 そんな140号ですが、先出の雁坂トンネル開通を皮切りに、ほぼ全線で「西関東連絡道路」として延長110kmのバイパス整備が進行中で、高規格化が進んでいます。

暫定供用中の国道140号「大滝トンネル」の内部。現在は通行止め(画像:くるまのニュース編集部撮影)
暫定供用中の国道140号「大滝トンネル」の内部。現在は通行止め(画像:くるまのニュース編集部撮影)

 現在のところ、埼玉県の関越道 花園ICから直通してくる「皆野寄居バイパス」(2005年)、「皆野秩父バイパス」(2018年)が開通。秩父市街地手前までのルートが完成。

 また山梨県側も、山梨市の中部から笛吹市の石和温泉・甲府市周辺まで伸びる「甲府山梨道路」(2018年)が開通しており、ブツ切れ状態ながらも順次開通が進んでいます。

 残る箇所は、埼玉県側では秩父市街から雁坂トンネルまでの区間が待たれています。

 埼玉県側では、まず秩父市街から先が「長尾根バイパス」として2022年に事業化され、整備が進んでいます。

 長尾根バイパスは延長約4kmで、荒川に沿い、299号と並行するように敷設されます。南側で秩父鉄道 秩父駅から伸びてくる埼玉県道 208号にも接続し、この完成を待てば花園ICから秩父中心地までの走りやすいルートが確立されます。

 2026年現在のところはまだ設計段階のところも多く、事業期間は2029年度までですが、開通目処は未定です。ただし、途中の約2kmの「長尾根トンネル」(仮称)については、2021年10月に着工しており、順調な様子です。周辺の拡幅工事も合わせて行われています。

 その先は1箇所を除き、雁坂トンネルまでのほとんどがまだ「構想中」の段階で、事業化すらしていません。急峻な山々に囲まれ、険しい地質に阻まれているため、早急な事業化が求められています。

 唯一ポツンと事業化されているのが、三峯神社と秩父鉄道線 三峰口駅のちょうど中間地点ほどにある「大滝トンネル」です。2kmのトンネルで峠道をショートカットする区間で、すでに掘削は完了し開通。

 残るは舗装など、最終的にクルマを通行させる仕上げ段階というところまで来ています。

 2025年7月には、この区間の現道で2m級の岩塊が落ちてくるという大規模な落石が発生。道路や舗装、道路擁壁が損傷し、通行止めとなるなか、県は同月の30日(緊急車両やスクールバスは16日)に、貫通して準備段階のこの大滝トンネルを通行させる暫定措置を開始しました。なお、9月にはほぼ同じ区間で再度、落石が発生しています。

 暫定通行は付近住民にとっては画期的な救済措置になるとともに、度重なる落石事故が起きていた現道を迂回するという西関東連絡道路のポテンシャルが発揮された形です。

 すでに大滝トンネルの暫定通行は終了し、まだ最終仕上げの工事が進められているところで、2027年度の開通予定が目指されています。

 いっぽうの山梨県側では、雁坂トンネルを過ぎると甲府盆地に向かってなだらかになっていることから比較的線形がよく、走りやすい2車線が続きます。このため、現在のところは甲府山梨道路まで、新道敷設の計画はありません。

 ただし、雁坂トンネルの南側、約2.9kmの急坂区間のみ「三富道路」として1998年から拡幅事業がスタートし、大型車の通行に対応できるよう、準備が進められています。

※ ※ ※

 西関東連絡道路は、現在のところ埼玉県側で苦戦が強いられている状況で、まだ全線のスムーズな走行は実現するに至っていません。

 ひとまずは、長尾根バイパスと大滝トンネルの開通を待つとともに、その先の雁坂トンネルまでの区間の事業化に期待がかかります。

 なお、甲府山梨道路の終点「桜井ランプ」では、甲府盆地をぐるりと1周する「新山梨環状道路」東部区間と接続予定です。

 現在整備中の箇所ですが、ここが開通すると中央道の甲府中央SIC(仮称)やリニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)にもアクセスできるほか、同じく整備が進む環状道路の南部区間を合わせると、中部横断道方面への往来も楽になります。

 ここもつながれば、埼玉県から西関東連絡道路、中部横断道を経由し、静岡県の新清水JCTまで、壮大なルートが完成することになります。

【画像】超便利!? これが「埼玉〜山梨」を直結する「西関東連絡道路」のルートと現況です!(28枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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