ダイハツ「スライドドアワゴン」が“意外なユーザー”から熱い支持! 登場4年の「ムーヴキャンバス」“本家”が全面刷新しても「女子向け軽自動車」の人気が落ちない理由とは!
ダイハツ新型「ムーヴ」が2025年に登場してからも、女性向けの派生車「ムーヴキャンバス」の人気は衰えません。意外なユーザー層にも支持される理由と、実質的な割安さ、徹底した使い勝手の良さに迫ります。
最新ムーヴより実質「13万円」も割安!?
具体的に、両車の売れ筋グレードである「ムーヴキャンバス ストライプス&セオリーG(2WD)」(175万4500円)と「ムーヴG(2WD)」(171万6000円)を比較してみましょう。
車両本体価格は、ムーヴキャンバスの方が3万8500円高くなっていますが、ところが、装備内容を詳しく見ると印象が変わります。
ムーヴキャンバスには、ムーヴではオプション扱いとなる「360度スーパーUV&IRカットガラス+前席シートヒーター」(ムーヴのオプション価格は3万3000円、以下同)や「右側スライドドアの電動機能」(5万5000円相当)が、最初から備わっているのです。これだけで合計8万8000円に達します。
さらにムーヴキャンバスGには、ムーヴGには設定のない後席の「置きラクボックス」や、カップホルダーの保温機能といった便利な装備まで最初から備わっています。

外観についても、2トーンの「ストライプス」だけでなく、同じ価格の「セオリー」でも装飾がより豪華になっています。こうした装備や色彩のグレードアップを金額に換算すると、8万円相当の価値があるといえるでしょう。
先に挙げたUVカットガラスや右側電動スライドドアの合計8万8000円と合わせれば、ムーヴキャンバスGはムーヴGよりも、トータルで16万8000円分も装備が充実している計算になります。
つまり、車両価格が3万8500円高いことを差し引いても、機能や装備とのバランスを考えれば、ムーヴキャンバスGの方が実質的に約13万円も割安ということになるのです。
なお、置きラクボックスとは、後席の下に装着された引き出し式の収納設備です。シューズなどを入れられますが、引き出した状態で、ついたてを立ち上げると、バスケットのような状態になります。この内側に買い物袋などを置くと、走行中に倒れにくいという便利な機能です。
2022年に発売されたムーヴキャンバスが、2025年に登場したムーヴと同等か、それ以上に多く売られている背景には、ほかの車種では得られないこれらの個性的な装備や外装色を、割安な価格で採用しているからです。
そして個性的な装備や外装色は、ムーヴキャンバスのユニークな開発テーマに基づいて、互いに関連付けられています。
ムーヴキャンバスの開発テーマは「母親と同居している娘が、日常的に便利に使える軽自動車」というものです。
外観は可愛らしく、娘の好みを反映さており、全高が1600mmを超えるボディで車内は広く、乗降性の優れたスライドドアも装着されるため、娘が友人とドライブに出かけた時も便利に使えます。
一方、母親が買い物に出かけた時は、工夫された導線が力を発揮。買い物を終えたら右側の電動スライドドアを開け、後席の「置きラクボックス」に荷物を収納。そのままドアが閉まるのを待たずに運転席へ移動して、すぐに出発できるのです。
この「右側後席から運転席へ」というスムーズな動きを重視した結果、ムーヴキャンバスは全グレードで両側電動スライドドアを標準装備しています。
すべてのユーザーが置きラクボックスを使うわけではないと思いますが、ムーヴキャンバスは、ユーザーの行動やクルマの使い方を入念に研究して開発されました。
カップホルダーの保温機能や収納設備なども使いやすく、そこに割安な価格も加わり、発売から約4年が経過した今でも売れ行きは好調というわけです。
車両の開発ではユーザーを研究した開発が大切で、ムーヴキャンバスが成功した理由もそこにあるといえるでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。














































