新車購入ユーザーが本当に得してる? エコカー減税や補助金にメリットはあるのか

ハイブリッド車やクリーンディーゼル車の新車購入時、エコカー減税や補助金によって免税や補助金の交付がある車種も多いです。これで購入ユーザーは本当に得をしているのでしょうか。

自動車購入にはさまざまな税金を払う必要があります

 自動車を購入したり所有すると、いろいろな税金を徴収されます。購入時には消費税と併せて、取得価格に応じた取得税を納めます。購入時と継続車検を受ける時には、車両重量に応じた自動車重量税が課せられます。さらに毎年、自動車税/軽自動車税を納めます。

 しかし、近年ではハイブリッド車やクリーンディーゼル車の新車購入時、エコカー減税や補助金によって免税や補助金の交付がある車種も多いです。購入ユーザーは本当に得をしているのでしょうか。

エコカーの代名詞ともいえるトヨタ「プリウス」の生産ライン

 燃料にも税金が含まれています。ガソリンであれば1リットル当たりのガソリン税が53.8円、石油税が2.8円含まれます。つまりガソリン価格の内、合計すると56.6円が税金です。これにガソリンの本体価格を加え、そこに消費税の8%を課税する仕組みです。税金にも消費税を掛けるのですから二重課税です。仮にガソリン価格が1リットル当たり140円なら、ガソリン本体の価格は73.03円で、消費税を含めた税金が66.97円に達します。ガソリン価格の約半額が税金です。

 これら税金の内、自動車取得税/自動車重量税/ガソリン税/石油税は、すべて道路特定財源として創設されました。道路の恩恵を受けるのは自動車所有ユーザーだから、道路整備費用も負担すべきという考え方に基づき、道路整備に使うための財源として1950年代から1970年代にかけて徴税が開始されました。

 ところが道路特定財源制度は、2009年に廃止されています。つまり税金を徴収する法的な根拠が消滅したわけですが、徴税は今でも続き、一般財源(道路以外にも使う税金)として使われています。自動車のユーザーは、過去の経緯から、過剰な税金を納め続けているのです。

 このように廃止すべき税金を徴収しながら、その一方ではエコカー減税が実施され補助金も交付されています。エコカー減税は2020年度燃費基準の達成度合いに応じて、自動車取得税や同重量税を軽減する制度です。CEV補助金は、エコカー減税を免税にした上で、お金を交付する制度です。交付対象は、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、クリーンディーゼル車も含まれます。

 これは筋の通らない話でしょう。まずは元・道路特定財源だった税金を廃止して、新しい税金を創設させ、その上で必要に応じてエコカー減税やCEV補助金を実施すべきです。

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