新車購入ユーザーが本当に得してる? エコカー減税や補助金にメリットはあるのか

税金やエコカー減税を販売店はどう見ている?

 今の自動車の税金とエコカー減税について、自動車の販売店ではどのように見ているのか、セールスマンに尋ねました。

「今では好調に売れる車種の多くが、エコカー減税対象車に該当しています。メーカーもそこは認識しているので、大量に売りたい車種は、当然のようにエコカー減税対象車です。そしてエコカー減税はかなり長い間にわたり実施されているので(エコカー減税の前身となるグリーン税制の実施は2001年)、お客様も慣れています。以前のようにTVのCMでエコカー減税をアピールすることもなく、当たり前になりました。最近はあまり話題になりません」と言います。

国内でクリーンディーゼルの火付け役、マツダ「CX-5」。現行モデルは補助金対象から外れている

 話を補足すると、2018年4月から5月にかけて、エコカー減税の基準が見直されました。基準が厳しくなり、売れ筋車種でもノーマルエンジン搭載車の一部は、今ではエコカー減税対象からはずれています。それでも最近は関心が薄れ「エコカー減税対象外だから買わない」とはならないようです。

 またノーマルエンジン車がエコカー減税対象外になっても、同じ車種にハイブリッドも用意されることが多いです。そうなるとグレードを選べば、大半の車種でエコカー減税車を購入可能です。

 このようにエコカー減税は、元・道路特定財源だった矛盾のある税金を残しながら、購入時の税金を安くすることで、自動車の販売促進に役立っています。

 ただしクリーンディーゼル車の補助金は形骸化してきました。ベース車との価格差に応じて交付されますが、マツダアテンザは、2018年度の交付額が1万5000円から1万7000円にとどまり、CX-5は交付対象からはずれました。

 販売店によると「補助金が交付されることを知らないお客様も多いです。申請すれば振り込まれることを伝えると、大半が受け取られますね」と話します。

 とはいえ補助金の原資は税金なので、交付対象に含まれる車種のユーザーは、実質的に税金を少なく納めたり他人から受け取っているのと同じことになります。

 以上のように見てくると、廃止すべき税金を残しながらエコカー減税や補助金を実施して、最も大きなメリットが得られるのは国と自動車業界といえるでしょう。

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