全長3.4m級! ホンダの「超ちいさな“ミニバン”」! カクカクデザイン&まさかのスケスケボディ採用! 斬新6輪仕様の「ユニボックス」とは
周囲から中身が丸見え…ホンダがかつて発表した「ユニボックス」は、スケルトンボディに電動モビリティを内蔵した驚きの移動体でした。その衝撃的なパッケージングとは一体どのようなものだったのでしょうか。
周囲とつながる「透明なハコ」
20年以上前、ホンダが「人と街とが楽しく対話する、新しいスペースの提案」を掲げて発表したコンセプトカーが登場しました。
その名は「UNIBOX(ユニボックス)」。2001年の第35回東京モーターショーで世界初公開された、全面ガラス張りのようなスケルトンボディを特徴とする近未来のマルチワゴンです。
開発のコンセプトは「人と街とが楽しく対話する、新しいスペースの提案」。従来の「閉ざされた個室」としてのクルマではなく、周囲の街並みや人々と視覚的に繋がることで、移動そのものを社会的なイベントに変えることを目指して開発されました。
車名のUNIBOXは、ユニバーサルな「ハコ」であることを想起させます。外観は、潔いほどの真四角な造形と、乗員が丸見えになる透明な外装で「クルマというより動くショールーム」と思わせます。
最大の特徴は、アルミニウムのトラスフレームをあえて露出させ、そこにポリカーボネート製の透明パネルを組み合わせた「スケルトン構造」です。
ボディサイズは全長3420mm×全幅1750mm×全高1890mm。全長は軽自動車並みに短い一方で、全幅はワイド、全高は1.9m弱という、極端なまでに背の高いプロポーションを採用しています。
この外板パネルはモジュール化されており、ユーザーの好みや用途に合わせて「着せ替え」が可能という、パーソナライズの概念を先取りした画期的なアイデアも盛り込まれていました。
さらに驚くべきは、その多機能性です。パネルやドアの収納スペースには、発電機とナビゲーション付ショッピングカート「i-CARGO」を搭載。

さらに、当時のホンダ二輪車ブースのコンセプトモデルだった「MOBIMOBA(モビモバ)」と「CAIXA(カイシャ)」という2台の電動モーター駆動のコミューターも積載可能としていました。
目的地付近までユニボックスで移動し、そこから先は内蔵モビリティで移動するという、現代の「ラストワンマイル」を20年以上前に具現化していた格好です。
また、前後バンパー部分には「インパクト・ストレージ」と呼ばれる収納スペースが設けられ、日常の利便性も徹底的に追求されていました。
内装は、フローリングのようなウッドフロアを採用したフラットな空間が広がっています。シートはリビングのソファのように自由に配置され、運転席以外はリラックスして過ごせる設計です。
さらに、車体各所に配置されたCCDカメラにより走行中の死角をモニターに映し出すほか、歩行者検知用のレーダーシステムなど、当時の最先端IT技術を駆使した安全・情報システムも搭載されていました。
パワートレインには、新開発の1.4リッター直噴i-VTECエンジンを搭載。走行状況に合わせて燃焼モードを切り替えることで、都市部でのクリーンな走行と低燃費の両立を狙っていました。
また、足回りは安定感のある後輪2軸の6輪構成となっているのもポイントでした。
ユニボックスは市販化には至りませんでしたが、その「ハコを徹底的に使い倒す」という思想や、室内をリビングに見立てるという空間の捉え方は、後の「モビリオ」や「N-BOX」といったホンダの人気モデルにも通じるパッケージング思想が見て取れます。
※ ※ ※
ユニボックスは、単なる展示物ではなく、ホンダが21世紀の都市生活に対して示した「極めてオープンなモビリティ」の姿でした。
透明なボディで街を駆け抜け、目的地ではスクーターを繰り出して楽しむ。このモデルが提示した「自由で開かれた移動」の価値は、シェアリングエコノミーやパーソナルモビリティが浸透した現代において、より切実なリアリティを持って響いてくるのではないでしょうか。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。
























