便利な「自動洗車機」 “使用がNG”なクルマとは? 使ったら「クルマを破壊」「水浸し」になることも? 春先で使うことが増える洗車機の「知られざる」注意点とは

手軽に洗車できる「自動洗車機」ですが、車種によっては使用できないことがあるといいます。一体どういうことなのでしょうか。

「自動洗車機」使えないクルマとは?

 ガソリンスタンドの敷地内でよく見かける「自動洗車機」は、お金を入れ、ボタン一つで愛車をきれいにしてくれる手軽な存在です。
 
 しかし、この便利な自動洗車機が、全てのクルマで利用できるわけではないことをご存知でしょうか。

 天気が変わりやすく花粉も飛散する春先、汚れたクルマをきれいにしようと、洗車機に長い列ができる光景が見られます。

 自動洗車機の魅力は、やはり手早く汚れを落とせることと言えます。手洗いする時間がない時、非常に重宝するものです。

 また大型車両で洗車するのが大変な場合、水洗いからシャンプー、乾燥までの一連の作業を、労力を使うことなく済ませることができます。

 こうした自動洗車機には、クルマを停止させて機械が動く「門型」や、比較的新しい店舗に多い「ドライブスルー型」などがあります。いずれも基本的には仕組みや使い方は共通しており、シャワーやブラシ、送風機が組み込まれた設備に車両を入れ、料金を支払って、希望のメニューを押すだけです。

 しかし実はいずれのタイプでも仕様上の問題から洗車ができないクルマが存在します。

画像はイメージです
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 まず、最も一般的な理由として挙げられるのがボディサイズです。

 多くの洗車機では、全長5.2m、車幅2.3m、高さ2.3m以内といった規格が上限として設定されています。このサイズを超えるクルマは、物理的に洗車機を利用することができません。

 具体的には、トヨタ「センチュリー」などの大型高級セダン、トヨタ「ハイエース」のスーパーロング仕様など、ロングボディ・ハイルーフの商用バン、トヨタ「ランドクルーザー」などの大型SUVといったように、大柄なモデルが該当することが多いようです。

 また、規格内に収まるサイズであっても、店舗によっては特定の車種の利用を禁止している場合があります。ガソリンスタンドによっては、メルセデス・ベンツ「Sクラス」や「Gクラス」、ポルシェの各モデル、あるいはテスラといった輸入車の使用を断っているケースもあるため、利用前には事前の確認が賢明です。

 そして、クルマの仕様に起因する制約もあります。

 一部の高級車に採用されている「マット塗装」は、洗車機のブラシによって塗装面が傷ついたり、特有の質感が損なわれたりする可能性があるため、使用は推奨されません。

 さらに、ルーフボックスの装着によって全高が増した場合や、複雑な形状のエアロパーツ、ウイングなどを取り付けているクルマも注意が必要です。

 年代物のクルマ、いわゆる旧車やネオクラシックカーも、機械式洗車機の利用は避けた方がよいでしょう。

 ブラシが接触しただけで塗装を傷めたり、経年劣化した樹脂パーツが破損したりする恐れがあります。特に旧型のオープンカーは、幌の部分から高圧の水が車内に侵入する危険性があるため、絶対に使用すべきではありません。

「自分のクルマは雨漏りしない」という自信があっても、機械式の強力な水圧では予期せぬ場所から水が入る可能性があります。

 一方で、新しいクルマならではのトラブルも報告されています。例えば、ホンダ「オデッセイ」5代目モデルに搭載された「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」は、ドアノブに触れずに光の動きに手をかざすことでドアを開閉できる機能ですが、これが洗車機のブラシの動きに誤って反応し、洗車中にスライドドアが開いて車内が水浸しになったという事例がありました。

 このほか、リアバンパー下で足を動かすとトランクが自動で開く「電動トランク」機能や、オートロック・アンロック・電動オープン機能なども、ブラシを誤検知してトランクやスライドドア、ドアミラーが開いてしまうことがあるため、注意が求められます。

 もし自己責任で洗車を行い、クルマが破損するだけならまだしも、店舗の重要な設備である洗車機を壊してしまった場合、修理代の弁償などを巡る交渉に発展する事態も考えられます。

 機械式洗車機は、不特定多数のクルマが利用する公共性の高い設備です。「これくらいなら大丈夫だろう」という安易な判断が、大切な愛車を傷つけるだけでなく、設備を破損させてしまうことにもつながりかねません。

 定められたルールを遵守し、正しく安全に利用することが求められます。

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Writer: 伊勢崎剛志

自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。

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