運転中に猛烈な睡魔… 眠気防止ドリンクを飲むタイミングはいつがいい? 専門家に聞いてみた
カフェインを取る上での注意点や1日の摂取量
――カフェインは色々な食品や飲料に入っていますが、1日の摂取量が決まっていることに少し驚きました。
食品標準成分表2015年版によると、飲料に含まれるカフェインの量(100g中)は以下の通りです。
コーヒー:60mg、紅茶:30mg、ウーロン茶:20mg、煎茶:20mg、玉露:160mg
これに対して、エナジードリンクや眠気覚ましドリンクの清涼飲料水では、32~300mg/100mlと、商品によって差があります。(厚労省食品安全委員会による)
また、カフェインの含有量や飲み方への注意喚起などが分かりにくい商品も目にします。エスタロンモカ内服液の場合、1回量(1瓶)に含まれるカフェインは150mgで、用法・用量では1日1回服用と記載されています。また、リポビタンDやチオビタドリンクなどの指定医薬部外品の栄養ドリンクにも、1瓶で50mgほどのカフェインが含まれている商品があります。アミノ酸やビタミン類を含んでいますので、眠気の除去とともに疲労回復も図りたい人には、こうした栄養ドリンクも良いかと思います。
――カフェインを取る上で、注意点はありますか?
清涼飲料水の場合、含まれるカフェインの量が商品によって違っていて、用法・用量の規定などがないため過剰摂取になりやすく、それによる健康被害も無視できません。医薬品の眠気防止薬は、15歳未満は服用しないことになっていますが、清涼飲料水では年齢の規制もありません。
連続して服用することで、体が効果に「慣れ」てしまい、同じ量では効かなくなり、服用量が増加しやすい傾向があります。カフェインを連用することで起こる頭痛もありますので、摂りすぎない、連用しないよう気をつけましょう。
カフェインを含む解熱鎮痛薬、風邪薬もありますので、知らないうちに摂りすぎていることもあります。カフェインは中枢神経を刺激して、脳を軽い興奮状態にすることで眠気や倦怠感を一時的に除去するもので、眠気や疲労をゼロにしてくれるものではありません。元気を前借りしているようなものですから、効果が切れた後に、さらに酷い疲れが出てしまうこともあります。
また、カフェインには胃酸の分泌を促す作用もあるため、副作用として胃粘膜障害が現れることがあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの既往歴のある方や、胃の弱い方は避けましょう。
副作用としては、ふるえ、めまい、不安、不眠、頭痛、動悸、食欲不振、吐き気・嘔吐などがあり、不調を感じたら飲むのを止めましょう。特に、基礎疾患のある方(服用中の薬の効果に影響する、血圧が上がるため)や、妊娠・授乳中の方(胎児への影響や母乳へのカフェインの移行などのリスクがあるため)は、摂りすぎないよう注意してください。